夏の風物詩(前編)

この原稿を書いている6月。次のオリンピック、パラリンピックにつながる日本選手権や世界選手権など、さまざまなスポーツが放映されている。パラ競泳に至っては放送終了が夜中の1時を回った日もあったが、ついつい見てしまった(もちろん翌日は仕事)。今回、いろいろな大会を見ていて気になったのは、若手の台頭。車いすテニスでは、ベテラン勢は若手の躍進を喜びつつも、まだまだ負けない、とより意欲を見せる。一方若手は、経験値の少なさ、ここ一番でのメンタル面の弱さを自覚するが、それを学びに変えて、さらなる高みを目指していく。次がまた、楽しみだ。

さて、夏といえばプール。先日の報道では、京都府内の8割強の自治体がすべての公立小中学校でプール授業を実施するとのこと。先生方は感染対策に細心の注意を払う必要があるが、暑い時のプールは、児童・生徒たちにとっては気持ちよいことこの上ないだろう。遠い昔、当時の私はそうだった。

小学生の頃は、夏休みも学校でプール指導があった。25メートルの大プールと15メートルの小プールがあったとはいえ、全校で1,400人から1,500人の児童数がほぼ毎日プールに入ることができたのは、いったいどのように予定を組んでいたのだろうかと思う。夏休み期間のプールに参加すると、プールカードにスタンプを押してもらえる。早朝、町内の子ども会で公園に集まり、ラジオ体操に参加するとカードに押してもらえるのと同じ。ラジオ体操は参加した回数によって鉛筆やノートなど景品がもらえたが、学校のプールは何もない。カードに埋まっていくスタンプの数が、単純に嬉しかったのだろう。
夏休みも体育も、時間中はとにかく泳ぐ。大人になって知ったことだが、この日々のプール学習は“泳ぎ込み”とも呼ばれているらしい。最終目標は、6年生の夏に行われる臨海学習での遠泳。その名の通り、プールではなく海で泳ぐ。泳力により3つの班に分けられ、二列縦隊でぐるっと反時計回りに一定の距離を泳ぐというものだ。そのための練習も、もちろん行われる。
夏なので、次号に続きます。

(はなのぼう7月号より)