…とくれば、当時をご存知の方もそうでない方も、思い浮かぶであろう「万博」。現在は大阪・関西万博が開催中ですが、この号が出る頃にはすべてのパビリオンが完成しているでしょうか…。

少し前のお話ですが、その大阪・関西万博が開幕まもない4月17日・18日、毎日新聞社、ビジョン・コンソーシアムの主催で出展された「点字考案200年 視覚障害者の世界を体験する」の中の点字体験イベントに、ボランティアスタッフとして参加させていただきました。巡り巡って今回のお話をいただき、私でもお役に立てるなら…という思いと同時に、一足早く万博に行けるな…?という邪な思いも正直、ありました(すみません)。

しかし。蓋を開けてみれば、己の浅はかさを思い知ることになります。参加者は点字の第一人者か、ボランティアさんも現役組の方々ばかり。しまった、完全に場違いだ…! 激しく後悔しても、時すでに遅し。あらかたの説明を受けた後、もうしょうがない。できる限りやるしかない!と腹を括り、ある時は来場者に点字のお話をし、ある時は点字器に用紙をセットして点字を打っていただき…。点字を説明したパネルに見入っている方があればすぐさまお声掛け。当館のあい・らぶ・ふぇあでも同じようなことはあれど、さすがは万博。近隣の方もいらっしゃれば、横浜から弾丸日帰りという方も。そして海外の方が多かったのも特徴的で、拙い英語でもどうにかこうにか体験までこぎ着けることができたのは得がたい体験でした。皆さんの反応は万国共通。まず、点字を打ったことは「ない」。しかし成り立ちを話すと「おぉ~!」と感動。実際にご自分で打っていただくと「おもしろい!」と興味津々。点字の魅力、そして点字を身近に感じてくださると良いな、と思いました。お声掛けし、体験いただいた方の中には「博覧会マニア」なる方も。幼少期に開催されたポートピア’81の参加を皮切りに、訪れた数は大小国内外で160を超えるとか。「期間限定のイベントは、参加しないと無くなってしまいますので…」。なるほど。

帰りの東ゲートへ向かう道すがら、各国のパビリオンは長蛇の列。心地よい疲れと並んで買ったおみやげを手に、雰囲気を楽しんで帰りました。期間中、また行けるかな。

(はなのぼう6月号より)