北に玄武、南に朱雀、東に青龍、西に白虎。大地の四方を守るとされる神獣たち。平安京はこの四獣が守る、いわゆる「四神相応」の地としてバランスのとれた地相とされています。

これは風水の考えをもとにしており、諸説あるものの、三方が高く、南に水がある地形が理想とされます。北山、東山、西山に囲まれ南には巨椋池があった平安京。千年の都となったのも、この土地が吉相とされたことを物語ります。

そしてこの四獣に囲まれた中央を守る神獣が麒麟です。実在のキリンではなく想像上の獣。善政を施そうとする為政者のもとに現れるといわれることから、真に頑張る者に力を授けに来ると

されています。

さて今年も残りわずか。来年こそ頑張ろうという皆様のもとに麒麟が現れることを願っています。ただしこの麒麟さん、すべてお見通し。だからこそ期待せず邪念を持たずに力を尽くしましょう。皆さま、良い年をお迎えください。

(五十嵐 幸夫)