5月12日(土)に、大阪市の肥後橋の玉水記念館で行われた社会福祉法人日本ライトハウス主催の木塚泰弘前理事長の追悼式に出席してまいりました。木塚先生は、2月9日にご逝去なされました。
木塚先生は、1935年生まれ。失明されたのち早稲田大学第二文学部史学科(日本史専修)に進まれ首席で卒業されました。国立特殊教育総合研究所に勤められ、視覚障害教育研究部長になられて、定年退官された後に日本ライトハウスの理事長に就かれました(1999年~2013年)。
多忙の中、静岡文化芸術大学デザイン学部教授も兼務されるなどマルチな活躍をされ、表彰歴では博報賞、内閣総理大臣表彰、点字毎日文化賞など多数を受賞されました。1966年に創設されました日本点字委員会では、初代会長の鳥居篤次郎先生を支えて運営に貢献し、2002年には会長に就かれました。
2007年には、これらのご功績をたたえ、第25回鳥居賞を受賞されました。プログラムの中で、会場で木塚先生のお声を聞く時間があり、その音源に鳥居賞を受賞された時のインタビューテープが使用され、感動をいたしました。
木塚先生のご生涯の折々にご交誼のあった方々からのお話は、同級生、教え子さんなど全国ネットのお話で、非常にバラエティに富み、先生の人生の厚みを感じられるものでした。曰く、記憶力に優れ大変な勉強家であった旨、お酒が大変に好きで飲み明かし語り明かしたお話(この話題がトップだったように感じました)、長い白杖と独特の歩行法と大きなお声、学校時代の恋愛談などなど。皆さんが先生のことをいかに慕われていたかがよく心に染み入る貴重な時間でした。
終盤では、お別れを惜しみながら参列者で献花を行い、しめやかに式を閉じました。盲界に偉大な足跡を残された木塚先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

(事務所 山本たろ)

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<写真 会場風景>

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<写真 参列者が献花をされているところ>

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<写真 表彰歴を示す盾など(鳥居賞賞状も飾られていました)>