京都ライトハウスあけぼのホールにて「視覚障害を知ろう~本当に求められている支援への一歩~」をテーマに研修会を開催しました。今年はケアマネージャー・ホームヘルパー・相談員など福祉関係者41名の方々にご参加いただきました。

はじめに、アイマスクをつけた状態で、テーブルごとに自己紹介。声だけで周りの人の名前を憶えていくのはなかなか大変です。だからこそ、こちらから積極的に名乗っていくことが大切であるということを感じてもらえたのではないでしょうか。

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(アイマスクをかけたままでの自己紹介。皆さん少し緊張気味です)

続いて、白濁や視野狭窄のシミュレーションレンズをかけて見え方の特徴や、作業の不便さを体験していただきました。白濁のレンズをかけた状態では、周りがぼんやりとしか見えなかったり、視野狭窄では、自分が探しているものが、なかなか視野に入らなかったり…。それぞれの不便さがあるとともに、見えにくいことへの不安やいらだちなども感じていただいたことと思います。

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(白濁のシミュレーション眼鏡をかけて、自分の名札をつくる体験)

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(視野狭窄のシミュレーション眼鏡をかけて、いろいろなフォントで書かれた文字を読んだり、周りを見回したり…。なかなか視野に入りません)

その後は、見えない・見えにくい利用者を安全に誘導するための「手引き」について、学んでいただきました。

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(ペアになって正しい手引きの方法で移動、壁に貼ったポスターや献立表を説明しています)

休憩後は、「わたしの暮らし、支援する方に伝えたいこと」と題して、当事者でもある佐渡 和代(さど かずよ)さんにお話いただきました。ご自身のこれまでの体験を振り返るとともに、「見えにくくなってきた利用者に早い段階でライトハウスの存在を知らせてあげてほしい」という思いを熱く語っていただきました。

最後に盲養護老人ホーム ライトハウス朱雀の伊藤 康子施設長から「高齢視覚障害者への対応、ライトハウス朱雀での実践」というテーマでお話いただきました。利用者への積極的な声かけの必要性や、認知症を併せ持った利用者への対応などを、施設での実践を通して報告いただきました。

これからも、できるだけ多くの方に参加していただけるような内容を企画し、地域の福祉関係者とともに、視覚障害者への支援について連携が図れるよう取り組んで参りたいと思います。

(鳥居寮 久保弘司)