子どもの頃に読んだ本を改めて読み返してみると、その時には理解できなかったことや、違った読み方ができることに気づくことがあります。今の時期にふさわしい本なら「クリスマスキャロル」(ディケンズ作)もその中の一冊です。
守銭奴の男がクリスマスの夜に現れた三人の霊によって自身の来し方、現在、行く末を見せつけられ、愚かで人間性に欠けた姿に愕然とし生き方を変える有名なストーリー。子どもの頃はただ面白かっただけですが、読み返してみると、二番目の霊が連れてくる二人の子ども「無知」と「貧困」がこの世の諸悪の根源とする作者の投げかけが、産業革命の進む当時のイギリス社会そして現代社会のひずみにもつながっており、改めてこの作品の深さを感じます。

クリスマスキャロルとは、クリスマスの頃に愛唱されるキリストにまつわる逸話を内容とした歌のことです。今の時代でいえばクリスマスソングでしょうか。キャロルからソング。キリスト賛美からクリスマスを楽しむ内容にかわっていますが、たくさんの名曲があり、心に残る曲もおありかと思います。情報ステーションではクリスマスソングはもちろん多くの音楽CDを用意しています。年末年始を音楽三昧で過ごされるのも如何でしょう? お気に入りの曲をおさがしいたします。

さてこの秋、宿願であった高知・四万十川を訪れることが叶いました。
高い空、連なる山々、豊かな清流、沈下橋。風景はこれだけなのにいつまでもいたくなる、まさに評判どおりのエリアでした。
川の流れは人の世の流れにたとえられます。
間もなくやってくる新年が皆様方にとって豊かな時間の流れる年になりますよう、お祈りいたします。

(五十嵐 幸夫)

ご注意
情報ステーションが用意するCDのうち、京都市図書館所蔵CD「音の文庫」が利用できるのは京都市内在住・在勤・在学の方となっています。