6月25日と26日の両日、標記大会が東北の地、福島市で開催されました。

今回の福島大会、やはり東日本大震災の問題が大きく取り上げられ、冒頭の全体研修会では震災当時の混乱と惨状が報告され、二人の視覚障害当事者が登壇、経験談を語られるなど、復興問題、原発問題といった重い命題が今なお続いていることが報告されました。

この後開かれた各事業部会のうち情報サービス部会では、大会決議案として、点字図書館の職員配置基準にIT支援員の配置の明記と、視覚障害者等に対する電子書籍等あらゆる形態での郵送が無料となる制度化の二案を要望していくことが採択されました。

翌日の記念講演では現職の眼科医から、眼科治療の現場が患者の治療後の先の人生を見据えたものとは必ずしもなっていない実情があり、眼科医が視覚障害者と社会をつなぐ架け橋としての役割を深めるために視覚障害者施設との連携の構築が急務という考えを披露されました。そして、視覚障害者情報の提供の窓口の一本化が望ましいとして、点字図書館=視覚障害者情報提供施設が窓口になり得るという考えを示されました。

最後の式典において大会アピール案 ― 社会福祉法人として使命感のもと理念やサービス、新たな事業開拓をすすめ存在意義を社会に発信していく ―と、決議案(情報関連のみ) ― 「選挙のお知らせ」の選挙公報への格上げ、点字製版機・印刷機への補助、IT支援員の配置、郵便物無料制度の
要件緩和など ― が採択されました。

かつて能因法師が、春霞のころ都を立ったのに秋風を感じるころに着いたと歌った遠いこの地も、今は4時間で着きます。早く着いた分多くのことが学べ意義深い研修会であったことをご報告いたします。

(五十嵐 幸夫)