今年の大会は、九州の福岡市で開催されました。会場は、博多駅からバスで20分ほどの福岡ヤフオクドーム横のホテルでした。1泊2日の日程で、研修会、施設区分による五つの部会の事業部会、交流会、講演会、式典と充実した内容の大会でした。京都からはお二人のボランティアさんが表彰され、式典では受賞ボランティア103名を代表して表彰を受けていただきました。

 2日目は、「障害者権利条約の批准と今後の課題」というテーマで、日本障害フォーラム幹事会議長で日本障害者協議会代表の藤井克徳氏の講演でした。言葉をかみしめるようにゆっくりした口調でたいへん分かりやすく話され、だからと言って時間に追われて駆け足になることもなく、予定時間通りピッタリ終えられ、拍手が鳴り止みませんでした。

 さて、日盲社協大会のアピールでは、視覚障害者用に発行されている「選挙のお知らせ」の選挙公報への格上げと選挙権行使に際しての合理的配慮の周知、情報支援員の配置と配置基準の見直し、盲養護老人ホームの入所要件の改善などの、「障害者の権利条約」に絡む課題が挙げられています。

 日本は、「障害者の権利条約」を批准するために、「障害者基本法」と「障害者雇用促進法」を改正し、「障害者差別解消法」を昨年6月に成立させ、今年の1月にようやく条約を批准しました。この条約は、世界の障害者運動の歴史の中で育まれた結晶であり、条約の批准はこれまでの歴史の大きな転換点として位置づけられるようです。

 そして藤井氏の講演の最後は、「権利条約の精神を日本列島の隅々に、関係者一人ひとりに問われること」として、「権利条約の魂を吹き込む役割を担ってほしい」と訴えて締めくくられました。

(田中 正和)