春はどこからともなくいい香りが漂って来たりして、今年はそうした季節の移ろいをこっそり楽しんでいました。それと、「北野をどり」と「都をどり」のきれいどころを初めて見に行くなど、これぞ京の春を満喫しました。皆さんも一度、いかがですか。

 さて、2月でご紹介しましたシネマ・デイジーですが、大きな反響をいただきうれしく思っています。今のところ東と西の大手2施設で製作されていますが、京都ライトハウスでも作ってほしいという要望もあり、映画の副音声でご活躍のボランティアさんにご協力いただき、「草原の椅子」(注)というシネマ・デイジーを4月にアップしました。サピエでダウンロードランキングを確認したところ、何と月間の堂々トップでした。

 そういう注目のシネマ・デイジーですが、どんなものかを知っていただくために、6月11日(水)の書庫整理日に3階アクセスルームで実際にご紹介します。映画に興味のある方は、ぜひお越しいただければと思っています。なお、シネマ・デイジーは、それを作ることが最終目的ではなく、映画に副音声や字幕が必要であることを世の中に広め、誰もが楽しめる映画を作ってもらうことが大きな目的のようです。情報ステーションでも引き続きシネマ・デイジーの製作に取り組みつつ、そうした世論づくりに貢献できたらと思っています。(田中 正和)

 (注)「草原の椅子」解説芥川賞作家の宮本輝が阪神・淡路大震災で被災したことをきっかけに、シルクロード6,700キロ、40日にわたる旅を体験して執筆した小説を映画化。『八日目の蝉』の成島出監督がメガホンを取り、男女4人が世界最後の桃源郷と呼ばれるパキスタンのフンザへ旅する姿を描く。人生の岐路に立ち今後の生き方を模索する登場人物たちを、佐藤浩市、西村雅彦、吉瀬美智子が演じる。