今年の大会は、10月17〜18日に横浜市で開催された。全国各地から約200名が参加し、サピエの充実や運営面での課題、10年ビジョン検討委員会の立ち上げ、テキストデイジーの製作研修など、分科会や全体会で研修や議論を深めた。

「サピエ」が本格稼働して3年になるが、個人登録者も1万人を超え、図書数も膨大な量となり、情報提供の最大の源泉となっている。その一方で、運営面は厳しさを増しており、補助金の増額などの対策が必要となっている。また、各館からは、情報ネットワークだけでなく、利用者の多様なニーズに応えるための運営基盤の強化が必要だという声が多く出されていた。

10年ビジョンを検討するプロジェクトでは、いろいろな課題に直面している中で、将来をしっかり見据え、利用者の期待に応えて行きたいという強い意気込みが示された。情報提供技術の進歩、著作権法の改正による対象者のビッグバン的な広がり、インクルーシブな社会の実現とその中での情報提供施設の役割など、大きな課題が横たわっている。そうした中で、京都ライトハウスも相応の役割を果たさなければと思っている。10年ビジョン委員会には、ぜひ委員を送りたいと考えている。

対象者の大きな広がりなど、われわれ視覚障害者情報提供施設だけでは限界が目に見えており、公共図書館との連携が欠かせないと思っている。そのためにも、サピエやマルチメディアデイジー等についての情報発信を積極的に行って行きたい。

大会会場は、横浜スタジアムと横浜中華街のすぐ近くで、大会前の昼食から大会後の夕食まで、中華を満喫した2日間でした。

(田中 正和)