これまで、簡単な利用のしおりの下に慣例にならう形で業務を進めてきましたが、対応にはたと困ったり、職員によって対応がまちまちになったりしたことがありました。そうした問題点や課題を踏まえ、みなさんに公平で迅速なサービスを提供するためにも、ルールづくりが必要となってきました。

 今回制定した規定は、従来の運用とそれほど大きく変更していませんが、1.貸出タイトル数と他館から取り寄せのタイトル数を明確にしました。2.プライベートサービスのサービスエリアと依頼できるタイトル数を明確にしました。3.読み書きサービスは、日常生活での読み書きを支援するという位置づけで、営業行為によるものは対象から除外しました。この規定は2013年4月1日から適用します。次号(10月号)の「はなのぼう」に同封しますので、ご覧いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

 このところ、読み書きサービスでトラブルの一歩手前のことが何例か起こっています。読み書きサービスは、100人を超えるボランティアの方々のご支援で成り立っています。利用される方もボランティアさんも様々な方がおられ、どこかで衝突が起こるのは避けがたいことかも分かりませんが、極力無くしたいと思っています。そのためのキーワードは、「相手への思いやり」ではないかと思っています。

 ボランティアさんは、視覚障害者の日常生活の不自由に思いを馳せ、時には体調が思わしくなくても活動に来られたりしています。他方、利用者の方々は身を以て思いやりの大切さを経験されていると思いますが、残念ながら思いやりに欠けるのではと思ったりすることがあります。お互い、活動できる喜び、サービスを受けられることに感謝し、このサービスがずっと続けられるようにしていきたいと思っています。皆さんのご理解とご協力をお願い申し上げます。

(田中 正和)