来年還暦を迎える私が失明したのは、今から10年ほど前でした。

その少し前、平成13年に鳥居寮で歩行、点字、パソコンなどの訓練を受けました。

その時に受けた訓練は、その後の私の生活におおいに役立っていると共に、前向きに生きる力となっています。

訓練終了後もライトハウスに単独歩行で通い続けたいと思い、社交ダンスサークルに入れていただき、月に2回ですが楽しく練習しています。

生まれて初めて習い始めた社交ダンスですがブルースやワルツ、タンゴにルンバなど徐々にレパートリーが増えてきています。

サークルには人生の先輩方も沢山おられ、とても励みになっています。

見える人も見えない人も、一緒にダンスを楽しめる仲間がもっと増えるといいなと思っています。

また、日本網膜色素変性症協会(JRPS)滋賀県支部の副支部長も務めさせていただいており、「治療法の確立とQOLの向上」という目標に向けて微力ながら力を注いでいます。

今は11月にびわこホール(小ホール)で開催する、視覚障害を理解してもらう啓発活動「見えない世界!!トーク&コンサート」の成功に向けてがんばっています。

JRPSは、イベントに他府県からの参加もOKですから、参加希望の方はお申し込みの上参加してください。

また、家の近くにあるバレエ教室(バレエボールではありません)にも週に一度通っています。初めは「見えない私が一人だけ晴眼者に混じって大丈夫かな?」と心配でしたが、通っている内に、周りの人も先生も、いろいろな情報を声で伝えることに慣れてきてくださり、助けていただきながらこれまた大いに楽しんでいます。

見えないからと引きこもらないで外の空気にいっぱい触れることが大事と考えています。

笑顔が素敵な田中さん 鮮やかなダンスを踊る田中さん