視覚障害の方が、駅のホームから転落して電車にはねられ死亡するという痛ましい事故がまだまだ絶えません。8月に東京の地下鉄で盲導犬を連れた男性が被害に遭い、10月には近鉄大阪線で男性が線路に落ちて特急電車にひかれて死亡しました。あるアンケート調査では、視覚障害者のおよそ40%の人が「転落した経験がある」とされており、欄干のない橋のような危険な状況のホームが多数存在するのが現状です。命にかかわる大きな問題で、解決に向けて多くの知恵や力が必要です。ホームドア設営などのハード面での整備はもちろんですが、駅員や旅客による声掛けも非常に大切な安全ポイントです。

そこで、9月29日に京都市営地下鉄「四条駅」構内で、視覚障害者の交通安全を守るアピール活動を行いました。これは、転落事故の防止に向けて行動を起こそうと、京都市交通局と京視協と京都ライトハウスが共催したものです。視覚障害者が駅構内やホームを安心して移動できるよう協力を呼びかけるチラシを配り、ポスターを掲げて、駅を行きかう人々に訴えました。参加者は約40人で、白杖を使ったり、盲導犬をつれたりしている人への積極的な声掛けや点字ブロックの上には立たず荷物を置かないこと、盲導犬を触らないことなどを訴え、通行の方々から大きく注目を浴びました。

駅構内というアピールに効果的な場所で行えたのも、交通局の方々が使命感・危機感をしっかりと持たれて積極的に応援をいただいたからこそで、感謝申し上げると共に、継続した行動が必須であると感じました。各地でこのような活動を広げていきたいと強く思いました。

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訴えかけている京視協の参加者、チラシをまく交通局の参加者