*9月11日、京都ライトハウスあけぼのホールにおいて、鳥居賞の伝達式が約80名の参加で行われ、田尻彰故鳥居篤治郎先生遺徳顕彰会代表から第31回鳥居賞受賞者の青木陽子氏に賞状と記念品・副賞が贈られました。

青木陽子氏は6歳で視力を失い、努力の末、筑波大学附属盲学校、南山大学を経て、米国ニューヨーク州立大学バッファロー校大学院に留学されました。そこで中国の視覚障害者の厳しい現状を知り、積極的に行動を起こされました。中国初の全盲留学生として天津外国語学院に入学、1994年には私財を投じてマンションの一室に、天津市視覚障害者日本語訓練学校を設立されました。また同年には、アジア視覚障害者教育協会を創設されました。点字や拡大文字による日本語教育、国際交流事業の推進などさまざまな支援活動を行ってこられて、これまでに視覚障害学生241名(健常者も含めると478名)に日本語を教え、日本留学や日系企業への就職に導かれました。

また、天津所在の国営ラジオでのレギュラー番組などを通じて視覚障害者の地位向上につとめられるなど常に困難を克服し、新しい道を切り開いてこられました。中国政府が教育・文化などに貢献した外国人に贈る「友誼賞」を受賞されるなど、中国国内でもその実績は広く認められています。

2012年には 特定非営利活動法人アジア障害者教育協会を設立し、障害を持つ人にも働ける「サフィーナ上尾作業所」を開所されました。サフィーナとはアラビア語で「船」を意味し、人生の大海原にみんなで力を合わせて漕ぎ出そうという熱い思いが込められています。

視覚障害者の教育発展に長年にわたってご尽力されたこれらのご業績は、鳥居賞に値するものと高く評価をされました。

青木陽子様からはご受賞のご挨拶をいただいた後、記念講演をしていただきました。