3月下旬の新聞記事に滋賀県で「聴覚障害のある方が医師国家試験合格」という快挙を報じるニュースに出会いました。全国で医師国家試験を目指す聴覚障害者のみならず、多くの方々に勇気と可能性を広げた春に相応しい話題でした。

 4月7日の京都新聞は、「あいあい教室」の事業内容と子育てへの不安を乗り越えていく母親の声を交えた記事を爽やかに報じていました。手遊びの必要性、写真を交えたスタッフの紹介、昨年度実績で61人と過去最多を記録した実績、通園利用された母親がこぞって前向きに変化されると答えられていたことに本事業所の存在意義と創立以来の「継続は力なり」を実感させられました。

 また、同日の朝日と毎日新聞で報じられた「アイヘルパー登場−ユニーズ アイヘルパー育成」の記事は念願の京都観光案内ボランティアの誕生を告げる明るいニュースでした。そう言えば、これまでにも、ライトハウスへ全国各地から京都観光の案内についての情報を求める声が少なくはなかったことを記憶しています。日常的に利用している視覚障害者ガイドヘルパー制度でもこの種の利用はできなかったことから、多くの場合、私的なボランティアの支援やタクシー利用による乗務員の案内などで解決されてきたのです。全国的には、30団体ほどの「外出支援ネットワーク」があったものの、国際観光都市京都にはそうした支援グループはありませんでした。このニュースは、京都ライトハウスを拠点に活動される一ボランティアサークルの熱意が実ったものであると同時に、全国の視覚障害者に京都観光の夢を広げた快挙に対し、当事者の1人としてエールを送りたいと思います。

 情報が彩る春、「情報が元気をくれた春の訪れ」を満喫しています。その極め付けが4月に入ってNHK総合テレビで放映された鳥居寮を中心とする中途視覚障害者にスポットを当てた番組です。生活訓練を通じて社会へチャレンジするそれぞれの生き方を通して、「働く」という共通の課題が投げかけられました。そして、仲間や社会的な支援の輪が広がっていくことの大切さとそれを生かして生きる当事者の明るい生き様が描かれていたことに大きな感動と今後への希望を抱いたものです。放映後、各地からいろんな反響が寄せられました。やはり全国放送の威力を感じました。特に、厚生労働省にお勤めの視覚障害職員から「自分が所属する課内で見せてもらいました」との嬉しい電話がありました。私たちは、多くの関係機関の支援や協力を得ながら、利用者が目指す目標の達成とそれに向けた働きかけを後押しできるよう、更に京都ライトハウスとしてのグレードアップを図って参りたいと思います。