今年をふりかえり

気付けば2021年、丑年も終わりに近づいています。焦らずにゆっくりと、着実に物事を進める年にできたでしょうか(自戒を込めて…)。昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染症は第4波、第5波で特に猛威を振るいましたが、11月19日現在、感染者数としては落ち着いています。ワクチンの効果かはたまた自衛的な感染対策か。素人には推測しかできませんが、一人一人の感染対策の取り組みが大きな実を結んでいるような気がします。それを思うと、今年は物事の成功へとつながる年だったのかもしれません。

さて、今年の一番のイベントはやはり東京オリンピック、パラリンピックでしょう。1年の延期により、体力の限界から引退を決めた選手や、逆に「もう1年、さらに強くなれる」とポジティブに捉えた選手。どの国の選手も、大きな決断をされた大会だったと思います。10月号でも「全種目が放送されないのは残念」と書かせていただいた通り、オリンピックもパラリンピックも、放送をきっかけにその競技を知り、はまっていくことは往々にしてあります。かくいう我が家では「ゴールボール? あれは燃えたなぁ~。強かったやん!」「ボッチャははじめて見たけど、カーリングに似てておもろいな」などなど。放送については大人の事情があるのでしょうが、様々な競技を自国で、生で観戦できた機会をコロナで逸したのは残念でした。

原稿を書いている今日、メジャーリーガーの大谷翔平さんが満票で、ア・リーグのMVPに選出されました。日本人としては2001年のイチローさん以来、満票での選出は日本人初とのこと。数日前の日本記者クラブでの会見中「どこでMVPの発表を待つか」という質問には、「どこなんでしょうね」とにこやかに回答。実際に待っている場所近辺の方にも迷惑をかけず、質問した記者も傷つけない。配慮のある言葉にとても好印象を受けた一コマでした。

丑年から寅年へ。来年は、明るいニュースがさらに増えることを願いつつ。皆さまもご自愛いただき、どうぞ良い年をお迎えください。

(はなのぼう 12月号より)