ひとりマスク騒動

この号が出る頃にはパラリンピックも終わっているはずですが、この原稿を書いているのはオリンピックが終わり、パラリンピックが始まる狭間のお盆。にもかかわらず、時折、朝晩涼しく過ごせる日があります。何なら夜は寒く感じるほどのときもあったり。今年は梅雨の始まりも早かったし、少しずつ何かが変わってきているのかなぁと感じます。

そんなある日。子どもの塾の迎えに車に乗り、交差点で信号待ちをしていると、何やら口元がスースーと軽い感じ。ん?と思ったその矢先、はたと気付きました。「マスク、してへんわ!!」

ペーパードライバーのくせに、時間に余裕を持たず家を出る私。今から取りに戻っては間に合わない。帰りに寄ろうと思っていたスーパーはどうしよう、ハンカチではあかんしな、私は車に残って一人で買いに行かせるか…などと考えたそのとき。かつて私自身が言ったセリフを思い出したのです。「グローブボックスに入れといたら、いつか何かの役に立たへんかな?」とりあえず目的地に着いてから、おもむろに助手席前にあるグローブボックスをゴソゴソと。…お? 想定していたものではなく、ポイッと入っていた布マスクを発見。これまた家族が予備に入れていたのでしょう。ニオイを嗅いでしまうのはお約束。まぁ及第点。まさか使用済みをこの中にはしまわへんやろ、とひとり性善説を唱えてそのマスクを装着。ひと安心。ん、本来探していたマスクは…? さらに覗きこむと、奥の方に追いやられていました。ご存知、ア○ノマスク。残念ながら今回も出番は無し。少し整理して、またの機会に備えてもらうことにしました。

未だ猛威を振るう新型コロナウイルス。はじめの方は患者の年齢層もわりと高めでしたが、ここ最近の感染状況を見ていると圧倒的に若年層が増えています。ワクチンの普及率も道半ば。若年層と言える年齢でもありませんが、接種が終わっても手洗い、三密回避、そしてマスク着用を心がけたいと思います。

(はなのぼう 9月号より)