第19回ほっこり散策
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当日の天気は曇り時々晴れ。「暑っ」ということもなく、ほんの少々小雨がぱらつく程度で傘も不要。ところが翌日は朝から大雨。一日違ったらえらいことに…! ということで、前号で案じた天候は杞憂に終わりました。
さて、まずは十石舟に乗船。海外のセスナのように体重こそ聞かれなかったものの、バランスを見ながら座席の左側、右側に分けて着席を促されます。「また帰りもね、このメンバー、この位置でご乗船いただきますのでね、左側、右側のどちらに乗られたかを必ず覚えといてくださいね」と船頭さん。頭上に記してある左右の表示を確認し、ボランティアさんやガイヘルさんがペアの利用者さんに伝えます。「ブゥン!」というエンジンの始動音の後、舟は桜や柳、家々の間をゆったりと抜けながら、船頭さんのガイドに頷きつつ耳を傾ける皆さん。江戸時代、角倉了以が開いた高瀬川やその他宇治川、淀川へとつながる伏見。当時、水運の拠点、港町として栄えたのも納得です。
ちなみに帰りの舟はきちんと左右に分かれるはずが、覚えている方、いない方がそれぞれ。最後に乗った私は「左、左」と覚えていたためその通りに乗るも、やや左に傾く。「誰かが間違えてはんなー」と船頭さん。人数的に二人が移動。それでも釣り合わない。「まあええわ、最後に乗ったアナタ、右へ移ってくださいな」ということで、右に座る。バランスが取れる。私? ひとり釈然としない気持ちを抱えつつも、舟は出発。しかし最後は「お荷物、傘、杖などお忘れ物のないように」「少し雨が降っていますが、どうぞお気をつけて」。たしかに杖も大事。ありがとうございます。
乗船後はお待ちかね、鳥せい本店でのお食事。貸切にしていただいた2階から見下ろすと、開店から間もないのに階下もお客さんで賑わいます。焼き鳥弁当は手羽先、つくね、ねぎま、もも。お腹も空いて、黙々と手羽先にむしゃぶりつきます。食事が進むにつれ「つくね、しょうがが効いておいしいね」「舟は情緒があったなぁ」など、初対面のボランティアさんやガイヘルさん、利用者さん同士も話に花が咲きました。
コロナが5類になって以降初めて、お食事もゆったりと楽しんでいただけた今回のほっこり散策。ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。
(はなのぼう11月号より)
