第48回 全国視覚障害者情報提供施設大会(山形大会)より

 連休明けの10月10日・11日、全国視覚障害者情報提供施設大会が開催されました。新型コロナウイルス感染症対策の規制が緩和され、対面開催は4年振りです。当館から参加した3名の職員含め全国184名の参加者同士、リモートではなくリアルで研修・交流できる機会は、京都よりも涼しい東北・山形の地を温めてくれたことでしょう。

 大会テーマは「情報共有社会の実現をめざして ―アクセシブルな資料を提供するために私たちができること―」。初日は、パネルディスカッション「電子書籍ってどだなだず(どういうもの)?」とシンポジウム「ICTでどうなる? 読書と図書館の未来予想図」が行われました。点字図書・録音図書・拡大図書のほか、今後読書の選択肢に加わるであろう市販の電子書籍について学びを深めるとともに、実際、ICT機器の入手ができない方や利用が難しい方にどうやって情報を届けるか、サービスの面からも考えられる内容でした。
 二日目は、厚生労働省による講演「情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法と障害福祉施策の動向について」と、点訳・録音・サービスの各分科会が行われました。より質の高い図書製作に向けての職員・ボランティアのスキルアップなど、各館の事例報告をもとに多面的な議論が展開されました。この中でサービスは、日頃、図書について問い合わせがあった際、情報提供の素にしているサピエ図書館の「書誌」についての再確認と、SNSを利用しての点字図書館のPRや、関係機関との連携について発表がありました。図書館司書資格を持つ職員は学生時代に、本を探すための手がかりになる書誌について細かく指導されるため、その重要性は理解しているはずです。一番厄介なのは、資格のあるなしにかかわらず書誌を適当に扱ってしまう人。私自身も大雑把な性格ではありますが、当館だけではなく全国の利用者に影響を及ぼすため、間違いのないように心がけねば…と思います。

 次回の開催は10月、福岡です。学びと交流を深めて各館に戻っていった面々が、また来年新たな情報を手に、元気に集えますように。

(はなのぼう11月号より)