「病院ラジオ」。先日、たまたま観たテレビ番組です。お笑いコンビ・サンドウィッチマンの二人が病院に出向き、ラジオ局を開設。患者や家族から日頃の言えない気持ちをリクエスト曲にのせて届けるというドキュメンタリーです。

登場していたのは様々な難病を抱える子どもたち。どの子も自分がおかれている現実を受けとめ、絶望と希望のくり返しの中で覚悟を決めて毎日を生きている。その姿は人としてのカッコよさ、人格は年齢に関係なく備わることをみせてくれます。

かつて病院内学級の子どもたちと関わりがあった時、「今、なにがほしい?」と尋ねると返答は「すぐそばに公衆電話」でした。(もちろん携帯電話などない時代です。)病気と向き合うには夢や理想より家族や友人と繋がれる現実的手段。子どもたちの笑顔の裏にある切ない心情に胸が詰まった覚えがあります。

人に起きることはすべて自分にも起こり得る。この事実を普段は忘れがち、あるいは考えないようにすらしています。できれば重い現実に向き合うことなく面白おかしく暮らしたい。でも「起きた時」どう乗り越えるか、それには「強さ」と「優しさ」が基本になるということを、この番組は気づかせてくれます。

(五十嵐 幸夫)