来年リニューアルを迎える盲人養護老人ホーム 船岡寮は、見えない・見えにくいご高齢の方が暮らす施設です。
利用者の方からのご相談や、ご家族との連絡などを行う相談員の平田さん、山内さんに登場して頂き、色々お話を聞いてみましょう!

―「船岡寮」という、福祉の現場を選ばれた動機は何ですか?―

平田 私は児童福祉関係で務めていましたが、いったん離れて事務職に就いていました。
福祉の現場から離れてみて、改めて人と関わる福祉の仕事のやりがいを思い起こすようになりました。ちょうどその頃今の仕事の募集がありました。

山内 私は大学も福祉とは関係ないところ卒業し、学校やスーパーなどで働いていました。
「困っている人を見たら助けたい」というタイプなのでしょうね。そのような思いを具体化したいということもあって、福祉の現場に入りました。福祉関係の仕事に入ったのは27歳頃でした。

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笑顔で話される山内さん

―実際に船岡寮で働いてみて、どうですか?―

山内 実際に働いてみて、「何でも助けてあげればいい」というわけではなく、その方のできることはそっと見守らなければならないことなど、はじめは少しとまどいもありました。
でも、利用者さんのいきいきとした姿などを見た時は、やっぱりうれしいなと感じます。みんな幸せそうでよかった!とつくづく思える瞬間ですね。

平田 今までご高齢の方々と接することがあまりなかったのですが、利用者のみなさんが、孫のように接してくれたことはうれしかったです。アットホームな雰囲気を感じましたね。いい意味でも、悪い意味でも、すぐに反応が返ってくるのも、仕事のやりがいにつながっているかもしれません。

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にこやかに相槌をうたれる平田さん

―視覚障害高齢者施設に働く者として、何か心がけていることはありますか?―

山内 一番はあいさつを含めての声かけかと思います。「椅子に座ってください」ということひとつとっても、見えない・見えにくい方に対して、こちらが言葉での説明で補っていくことが大切になります。でも、その声の出し方一つでも、利用者さんから「元気ないね」とか、励まされることもたくさんありますよ。

平田 時々「忙しそうだね」と、利用者さんからねぎらってもらうこともありますね。声にも表情があり、利用者さんにはそれが伝わっていくのでしょうね。

山内 結局のところは、利用者さんが「目が見える」とか「目が見えない」とかだけではなく、どのような関わりをしていけば、その方が「快適な生活ができるのか」を考えることが、まず大事なのかなとも思っています。

―他施設とこんなところが違う、ということがありますか?―

平田 階段ではなく、スロープがあったり、廊下の手すりがなるべく途切れることなく敷設されていたり、見えない・見えにくい利用者さんが、寮内での移動で不便がないような作りになっていますね。

山内 シーツ交換などで入室した際は、物を動かすこともあるのですが、動かしたら必ず元の場所に戻すなどといった配慮も大切なことになりますね。

―職場の雰囲気はどんな感じですか?―

平田 若い職員が多い!活気あるし、みんな仲良いですよ。福祉施設でよくいわれる「ぎすぎすした感じ」ってのは、あまりないですね。

山内 職員全員で、利用者さん全員を支援している、といった雰囲気がありますね。利用者さんに対して積極的に声をかけていくというのは当たり前のことなのですが、それと同時に職員同士も自然に声をかけあっていたりしますね。

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語り合う山内さん、平田さん

―お休みはどうしていますか?―

山内 休みはしっかり取れますので、好きなことをしたり、のんびりしてることが多いですね。

平田 シフトがあるので不定休ですが、ここまでしっかりお休みが取れるとは思っていませんでしたよ。

―船岡寮で働いてみたい!と思っている方にメッセージをお願いします!―

平田 みんな仲良いので、お互い助け合いながら仕事ができると思います。だから一番は「やる気」だと思いますよ。

山内 例えばデイサービスのように、何か取り組みをする、というようなことは少ないです。何かこれができなければ仕事できない、ということはありません。利用者さんが安全に、そして快適に暮らせるような環境を、一緒に考えてくれる方がうれしいですね。

お二人とも、ありがとうございました!

(聞き手 HP委員 訓練 久保弘司・FSトモニー 古屋雅子)