情報ステーションでは、「目指せ!情報バリアフリー ~『読みたい・知りたい』に全力で応えよう~」というスローガンを掲げて3年目になります。スローガンに恥じない取組をしなければと思いつつ、いろいろな壁や条件にぶつかり、板挟みになることがあります。今年度は3年目ということもあり、スローガンを最優先に据えた取組が進められるよう、頑張りたいと思います。

さて、視覚障害者の読書環境は、視覚障害者情報総合ネットワーク「サピエ」の充実とデイジー図書の普及で大きく改善されてきました。しかし、一般社会との格差はまだまだ大きく、情報提供の更なる充実を図るとともに、学習障害等で視覚による文字の認識に障害のある人たちのニーズにも応えて行きたいと考えています。そうした中で今年度の新たな取組としては、

  1. 公共図書館や大学図書館向けの研修会を開催し、公共図書館等と連携した新たなサービスを目ざしたいと考えています。
    昨年、公共図書館を対象に実施したアンケートで、「サピエ」やデイジー図書に大きな関心が寄せられていることが明らかになりました。それらについて知っていただき、視覚障害者サービスの充実と連携強化を図っていきたいと考えています。
  2. 児童・生徒向けのイベントや点字の普及啓発のための事業に取り組みます。
    視覚障害児が減りつつあることや重複障害児が増える中で、情報提供施設を利用する児童・生徒数は減っています。盲学校や地域で学ぶ視覚障害児を対象に、読書に親しんでもらうための「耳で聞く読書会」の開催や電子書籍の紹介などを行います。
  3. 視覚障害者向けの電子書籍(テキストデイジーやマルチメディアデイジー)やシネマデイジーの製作に取り組みます。
    2月の「はなのぼう」でシネマデイジーをご紹介したところ、ビックリするほどの大反響がありました。今のところ東と西の大手2施設でしか作られていませんが、京都も参入すべく製作に取り組んでいます。第1号がまもなくできる予定ですので、もうしばらくお待ちください。そして、新たな媒体である電子書籍の製作にも取り組んでいきます。

(田中 正和)