はなのぼう 2007年1月号
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京都ライトハウスには、養護盲老人ホーム「船岡寮」があります。
“出歩きのできる”入所者が、外出時にガイドヘルパー制度を利用したい、との願いをこめて京都市と折衝され京都ライトハウスもそのお手伝いをしました。
施設の入所者はガイドヘルパーも日常生活用具の補償も受けられないとされてきましたが、昨年10月からは障害者自立支援法の地域生活支援事業に移り、対象者から「入所者を除く」の表現がなくなりました。

ただ、実施は各市町村となったためにまだ従来のままの所も残っており、自立支援法の取り組みでは先進的なはずの京都市も「従来どおり」だったのです。
自立支援法では「入所施設」から「介護」の部分が切り離され、日中活動という考え方も導入されました。
なのに「利用できる権利」を得たはずの地域生活支援事業が受けられない、ガイヘルや日常生活用具などによる自立を促す活動も認められないとしたら、“非自立”支援法になってしまいます。

今回、当然のことを主張された船岡寮のみなさんの12月末の行動は、全国でもめずらしいできごとでした。
もちろん本来は何も言わなくても私たちが必要とすることが行われるのが当然なのですが、不十分なところは障害者が中心になって声をあげていくことが必要なのです。

ところで、日常生活用具のうちデイジー機器の要望は点字図書館にとっても重要です。
現時点での船岡寮のみなさんのデイジー利用は、これまでの古い弁当箱型の機材を貸し出すしかなく故障も出始めています。
再生専用の安い機種でも3万円以上の全額を自己負担して購入しなければならず、デイジー普及を妨げる一つの要因にもなっていたのです。
京都市でもガイドヘルパーとともに日常生活用具給付が入所者にも認められて、デイジーを聞ける方がもっと増えることを願っています。
視覚障害者の方々が声をあげていく大切さを、改めて感じさせられたできごとでした。