はなのぼう 2006年4月20日号
発行:京都ライトハウス情報ステーション

点字ブロックをどこに敷くかやエレベーターの音声装置、点字表示などは、交通バリアフリー法とハートビル法という法律によっていることをご承知の方も多いかと思います。でも、それが一つになって今年の6月に国会で成立する予定になっていることは視覚障害者の間でほとんど話題になっていません。他の障害者団体は活発に動いているのですが…。

3月11,12日に大阪で開かれた「交通バリアフリー全国集会」には200人以上が参加したにもかかわらず、視覚障害関係者はたった4名しか参加していませんでした。そのため、DPI日本会議の取り組みでも「ホームドア・ホーム柵の推進を」「音声案内等がガイドラインで示された事項を、移動円滑化基準へ積極的採用を」は書かれてはいますが、弱視者を含めた、きめ細やかな視覚障害者への具体的な配慮は含まれていませんでした。

法律の条文自体はもうそんなに動かせないでしょうが、具体的なことは今からでも遅くはありません。視覚障害といっても当然ながら人によって異なり、いろいろな配慮が必要です。だれにとってもバリアのない社会を実現するためには、しっかりと情報をつかみ、対応していかなければなりません。しかし、今回のバリアフリー新法については大きな立ち後れとなっています。

ところで、京都ライトハウスでは3月19日に2回目の「ユニバーサルデザイン・フォーラム」を開催しました。そこで「究極のバリアフリーは人による人のサービス」と結ばれました。人がいる場合はそのとおりで、いるのにサポートもしようとしない駅員は許せませんし周囲の人たちが声を掛けることが大切なことも言うまでもありません。

ただ、他の歩行者のいないときや、いても周りの人が気付かないときなどもよくあります。一人歩きできる視覚障害者が少なくとも歩けるように、可能な設備は整備していくことが重要です。

なお、視覚障害者施設では、いつも見ている人を配置するのが最もよいのはもちろんです。しかし電話も、用事による離席もしょっちゅうあり、なかなかそうはいかない現状もあります。設備の整備も十分しておくのが当然のことだと思っています。

(加藤俊和)

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