第6回 馬のおっちゃん 山下 泰三(やました たいぞう)さん
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私自身も戦後の経済成長の中で、先輩達の築いてきた物質的な豊かさにどっぷり漬かって育ってきました。
多くの人々は今、将来の希望や夢が持てないと感じています。物質的に貧しい時は、悩みは物質に向けられ、その解決は比較的簡単です。経済的に満たされた時、人間本来の悩みが大きくクローズアップされてきます。現在はその時ではないでしょうか。これからの時代は、もう一度自然を見直し、自然の恵み、大切さを感じ、共生し、豊かな心を持つことが大切になると思われます。
大人や子供、若者やお年寄り、障がい者が共に同じ社会で学びあうことが重要です。そして、自然、歴史、文化、芸術、技術、医療等を学び、人としての社会性を身につけ、自立し、心の豊かな人生を歩んで行く事が大切であると思います。
私は54歳で失明し、家族や友人知人に支えられております。そしてまた、子供の時から好きだった馬と運命的な出会いをし、喜びを感じています。その思いから馬の事を学び、実践し『しょうがいしゃ馬っ子の会』を立ち上げ、活動をしております。色々な障害を持っている子供達や生きづらさを感じている方々に、私達や若者そして、元気なお年寄りが馬を通じて、自分に応じた担い方で協力して頂いております。
その活動の中で子供からお年寄りまで、繋がり一緒に集う事の素晴らしさを感じています。
それが私の元気の源であり、人生の喜びになっています。
私自身は小さな事しかできませんがこれからも子供達には夢を、若者には希望を、大人には生きがいを、お年寄りには人生の喜びをすこしでも持って頂くために、私にできる事があれば微力ながらも何かお手伝いさせて頂きたいと思います。
馬のおっちゃん 山下泰三