映画の舞台は現代の京都ライトハウス。ハウスが視覚障害の方と共に運営する「船岡長寿サロン」は、20ヶ近くあるサークル活動の集合体で、その一つに大正琴を皆で奏でる”大正琴サロン”があります。その”サロン”に一人の青年が、ふとしたことから飛び込み、人々と関わる中で成長していく物語を感動的に描いた映画が『海なき灯台』です。

 青年を取り巻くサロンメンバー、通っている芸術大学の仲間、教授など多くの人々。その優しさ、温かさが、迷いながらも進んでいく青年を支えていきます。自らの学生生活の集大成である卒業制作、サークル活動の一大イベントである「ライトハウスまつり発表会」への参加、視覚に障害を持った人々との関わりなどに真摯に向かい合う主人公。青春ならではの日常や葛藤をハイクオリティな映像美で描いたこの映画は、見る人の心を和ませ、潤わせます。

 今春、あけぼのホールで上映会が行われ、参加者から再上映を望む声がハウスに寄せられていました。10月29日開催の「まつり」にて、ようやく再会できますよ。臨設のミニシアターに是非お立ち寄りください。

 

   それぞれが持つ、見えないことに対する想い。

   大切なことは何なのか

   (監督 倉西宏嘉)