2001年5月以来、新京都ライトハウス建設を通して目指してきた「ユニバーサルデザインの取り組み」を国立国際会館のイベントホールで発表する機会を頂戴しました。今回の国際会議は前回の横浜に続く2回目、企業や研究者、国際機関などが集まって研究発表やプレゼンテーションなどを行うものです。

今回は京都での開催とあって一般市民にも親しみを持ってもらうために、京都委員会が主催するイベント企画として実施しました。会議は10月22日から25日まで開催され、二日目の23日(月)午前10時から正午まで発表の場をいただきました。
京都ライトハウスが目指してきた「ユニバーサルデザインノ試み」を主要テーマに、同研究会の三浦研氏(大阪市立大学助教授)のUDスピーチ、それに視覚障害者で車椅子障害を持って活躍されておられる山下純一氏の珍獣王国にご出演をお願いし、トーク&ライヴを企画しました。障害当事者と研究者、ボランティアで繰り広げられた「UD対談」では、重複障害者にとっての表示位置の問題から副音声、字幕入り映画の製作に至るまで広範な課題が提起されました。建築の専門教育カリキュラムの中に視覚障害への指導内容が全くないこと、デザインをする側と当事者とのギャップがかなり大きいこと、商品開発など、ユーザーの側の意見やニーズが配慮されずに作られていることなどが明らかになりました。

今後、こうした当事者、研究者に加えて企業関係者なども含めた場の設定の必要性が浮き彫りになりました。ただ、惜しまれたのは企画が多くの労力と巨費を投じて実施されたにもかかわらず、結果的には市民や障害当事者に周知されることが不充分で、会議当日の参加状況が芳しくなかったことでした。

最後に、今回私たちの取り組みを採用していただきました京都委員会をはじめ、パネル製作や「触る立体模型」の改修、そして当日の支援ボランティアとしてご活躍いただきました多くの関係者各位にこの誌面をお借りして深く感謝申し上げます。これからも引き続き、京都ライトハウスがユニバーサルデザインの発信拠点として皆さんと共に歩んで行けます様、努力して参りたいと思います。