P1 京都ライトハウス通信148号 2017年1月1日発行 編集人 山本たろ / 社会福祉法人 京都ライトハウス 〒603-8302 京都市北区紫野花ノ坊町 11  代表番号 TEL 075-462-4400 FAX 075-462-4402 鳥居寮 TEL 075-463-6455   相談支援室・ほくほく TEL 075-462-0808  ライトハウス朱雀 TEL 075-803-1739 URL:http://www.kyoto-lighthouse.or.jp E-mail:info@kyoto-lighthouse.or.jp 郵便局振替口座  (後援会)01090-3-9080  (運営資金寄付)00960-5-153295 1979年(昭和54年)8月15日創刊  題字デザイン 増見家弘 特集 「あいあい教室 創設40周年」?時代を超えて大切にしてきたものをこれからもずっと? E〜H 目次 灯台守 @ 法人・部署報告 A〜D お知らせ D おれい I〜J 京ラの窓 K 編集協力:株式会社ウィズ・クリエイト 灯台守 新年のごあいさつ  明けましておめでとうございます。迎えた年が皆様にとって良い年となりますことをこころからお祈り申し上げます。  昨年は、京都ライトハウスの歴史にとりまして、長年の夢でありました「高齢者総合福祉センターライトハウス朱雀」の開所という大きな節目の年となりました。改めて、皆様の御高配・御厚志に深く感謝申し上げる次第です。この施設の開設によりまして、本法人は、本当の意味で、視覚等に障害のある子どもさんから高齢の方まで、自立した生活や社会参加が支援できる一貫体制を整えることができました。  今年は、この一貫体制が真に力を発揮できるかどうかの正念場の年となります。このため法人では、新施設の安定的な経営の確保はもちろん、施設・事業所間の連携を強化し、必要とされる方に必要なサービスをつなげていく一方、役職員が一体となって法人の諸活動を着実に前進させていく組織づくりに取り組んで参りたいと考えております。  皆様方には、引き続き本法人の取組に御理解と御支援を賜りますようお願い申し上げ、年頭に当たってのご挨拶とさせていただきます。 2017年元旦 京都ライトハウス 理事長 神谷 俊昭 2P 法人報告 2016年9月?2016年10月 9月 1日 事業運営会議 9日 故鳥居篤治郎先生遺徳顕彰会鳥居賞伝達式 15日 事業運営会議 26日 ライトハウスまつり合同実行委員会 27日 あい・らぶ・ふぇあ実行委員会 29日 啓発活動/京都市営地下鉄四条駅 10月 6日 事業運営会議 10日 白杖安全デー 11日 職員研修/部署を知る( 朱雀)(28日) 20日 事業運営会議 21日 法人理事会 30日 ライトハウスまつり 視覚障害者の交通安全を守るために  視覚障害の方が、駅のホームから転落して電車にはねられ死亡するという痛ましい事故がまだまだ絶えません。8月に東京の地下鉄で盲導犬を連れた男性が、10月には近鉄大阪線で男性が線路に転落して特急電車にはねられ死亡しました。  あるアンケート調査では、視覚障害者のおよそ40%の人が「転落した経験がある」とされており、欄干のない橋のような危険な状況のホームが多数存在するのが現状です。命にかかわる大きな問題で、解決に向けて多くの知恵や力が必要です。ホームドア設営など、転落を防止するハード面整備はもちろんですが、駅員や旅客による声掛けも非常に大切な安全ポイントです。  そこで、9月29日に京都市営地下鉄「四条」駅構内で、視覚障害者の交通安全を守るアピール活動を行いました。これは、転落事故の防止に向けて行動を起こそうと、京都市交通局と京都府視覚障害者協会と京都ライトハウスが共催したものです。視覚障害者が駅構内やホームを安心して移動できるよう協力を呼びかけるチラシを配り、ポスターを掲げて、駅を行き交う人々に訴えました。参加者は約40人で、白杖を使ったり、盲導犬を連れたりしている人への積極的な声掛けや、点字ブロックの上には立たず荷物を置かないこと、盲導犬を触らないことなどを訴え、通行の方々から大きく注目を浴びました。  駅構内というアピールに効果的な場所で行えたのも、京都市交通局の方々が使命感・危機感をしっかりと持たれて積極的に応援をいただいたからこそで、感謝申し上げるとともに、継続した行動が必須であると感じました。今後とも各地でこのような啓発活動を広げてまいります。 3P 部署報告 2016年9月?2016年10月 情報ステーション 9月 1日 移動図書館/京田辺市中央図書館 3日 音訳初級講座(他7日) 7日 おたのしみ会(あいあいとの合同行事)/キッズコーナー 8日 音訳中級講座 (他2日) 10日 点訳入門講座(他4日) 13日 点訳中級講座(27日) 15日 音訳表現スキルアップ研修会(20日) 10月 3日 音訳初級講座(他5日) 6日 音訳中級講座(他2日) 8日 点訳入門講座(他2日) 13日 点訳中級講座(他2日) 15日 全国図書館大会 東京大会 17日 点訳スキルアップ研修会 18日 音訳表現スキルアップ研修会 (20日) 20日 第42回全国視覚障害者情報提供施設大会/熊本市(?21日) 30日 ライトハウスまつり/キッズコーナー 賑わったキッズコーナー「イエローサブマリン」  ライトハウスまつりでは情報部門の出し物として、魚釣りゲームや輪投げを3階のキッズコーナーで開催しました。壁いっぱいに絵本を並べたりハロウィン風の飾り付けを行うなど、これまでとは違った雰囲気のスペースをつくり、子どもさんから大人までたくさんの方々に楽しんでいただきました。  なお、キッズコーナーは図書館が開館している時はいつでもご利用いただけます。 情報製作センター 9月 14日 東本願寺出版部様来館(点字冊子作成について) 16日 点字版選挙支援プロジェクト事務局会議/日本点字図書館 21日 近畿点字研究会例会/奈良県社会福祉総合センター 29日 京都市道路建設課様来館(京都駅八条口広場点字案内板について) 10月 14日 触読校正者話し合い 15日 全国ロービジョンフェア出展/難波御堂筋ビル(?16日) 21日 国立大学法人職員来館(点字試験実施について見学・相談) 30日 ライトハウスまつり/キッズコーナー 今年度も全国ロービジョンフェアに出展  10月15日と16日の両日、難波御堂筋ビルで開催された同フェアに、出展しました。  今回は、エコバッグやFSトモニーとのコラボ企画のポーチが好評を博しました。また、昨年2月に発売した「点字付き お坊さんめくり」も好調な売れ行きでした。来場者からいただいた貴重なご意見は、今後の商品づくりなどに生かしていきたいと思います。 あいあい教室 9月 4日 お父さんたちと遊ぼう&お母さん交流会 7日 イエローサブマリンお話会 13日 洛陽保育園との交流 22日 京都府立盲学校見学会(保護者グループ) 26日 個別懇談/前期まとめ・後期個別支援計画(?11月上旬) 10月 18日 洛陽保育園との交流/船岡公園 19日 グループ遠足/下鴨神社・御室仁和寺・八十八ヵ所(?21日) 25日 グループ遠足(雨天につき プレイルーム) 30日 ライトハウスまつり/焼きそば屋 親子遠足に行きました!  10 月は、グループごとに親子で遠足に出かけました。初めての電車や、車椅子でのバス乗車。「大丈夫かな・・・」とドキドキのお母さん。でも、みんなで行くから、子どもたちは意外と平気。少しくらい泣いても、ステキな体験です。  水・金曜日のグループは、下鴨神社へ出かけました。財布からお賽銭を取り出してお参り。お手製の“どんぐりポケット”に、どんぐりをいっぱい拾って入れましたね。  木曜グループは、御室仁和寺へ。年中・年長さんは、御室八十八ヵ所の山登りに挑戦。山道や大きな階段も、がんばって登りましたよ。  小さい子どもたちにとっては、初めてのリュックや外で食べるお弁当など、いろいろなことが体験できた遠足でした! 4P 部署報告 鳥居寮 9月 4日 京都ゴルファーズ協会手引き講座 7日 南部サテライト/木津川市 7日 ビジネス講座 14日 南部サテライト/京田辺市 15日 福祉関係者向け研修会 21日 南部サテライト/長岡京市 26日 京都府視覚相談会/京田辺市 28日 健康相談 10月 2日 目の愛護デー/ゼスト御池 2日 あい丹後ふれあいまつり/京丹後市 6日 神戸市、神戸アイライト職員施設見学 11日 京都府立視力障害者福祉センター見学・体験会 12日 南部サテライト/京田辺市 13日 日盲連機能訓練事業所実態調査実施 19日 南部サテライト/長岡京市 23日 京都府視覚障害者協会同行援護講習職員派遣(?25日) 26日 健康相談 26日 南部サテライト/宇治市 29日 日本盲導犬職員施設見学 30日 ライトハウスまつり/クイックマッサージ 初出展!あい丹後ふれあいまつり  京都府北部の訪問訓練等のご縁で、京都ライトハウスのブースを初めていただきました。屋外では、海に近いところならではのさざえ飯等の出店や出し物が披露されるなど、大変賑わっていました。担当したブースは、白杖の使い方について熱心に質問される方や、パソコンの音声読み上げ機能に興味を持たれる方、iPadの音声アシスタント機能『Siri』に驚きの笑顔がたくさんで、地元の方々と素敵なふれあいができました。 らくらく 9月 5日 実習生受入/佛教大学(?10月7日) 8日 三線コンサート 16日 クッキング/パンケーキ作り 27日 工作/ハンガーデコレーション 28日 健康相談 10月 6日 らくらく運動会( 14 日) 11日 実習生受入/聖カタリナ高等学校(?24日) 18日 虐待者防止に係る事業所及び施設従事者研修参加 26日 健康相談 30日 ライトハウスまつり/プラバン 31日 実習生受入/佛教大学(?12月2日) らくらく秋の運動会  10月6日と 14日に、秋の恒例行事である「らくらく運動会」を、ライトハウス4階あけぼのホールで開催しました。種目は「玉入れ」「ボール送り」「リレー」。玉入れのカゴは高さの違うものを用意し、参加する人に応じて入れやすい高さのものを選べるようにするなど、どの種目も楽しく全員参加できるようになっています。  運動会を終えて、ゲームに負けた利用者さんが「くやしいなぁ、来年は勝つで?」と笑顔で話されていたのが印象的でした。 FSトモニー 9月 4日 テンダーハウスまつり出店 /マッサージ 6日 新規入所/1名 7日 工賃会議 14日 実習受入/佛教大学(15日) 27日 利用希望者見学 28日 見学受入/京都縫製( 株) 古布作業 30日 利用者退所/1名 10月 1日 土曜日行事(BBQ会)/ イン・ザ・グリーン 7日 工賃会議 11日 OA講座修了式 12日 利用希望者見学/1名 14日 利用者1名退所(雇用決定のため) 30日 ライトハウスまつり/オープン・トモニー 31日 利用希望者見学/1名 BBQ会をみんなで楽しみました  利用者さんに希望を募り、植物園横にある「イン・ザ・グリーン」へBBQ会に出かけました。お肉はもちろんオードブルやデザートも楽しめました。  すぐ近所ですが、普段の作業風景と異なる利用者さんたちの交流の場を創り出してくれます。  今回初めて行事に参加されたAさん。以前は他の障害を持たれている方に対して厳しい意見をおっしゃることもありましたが、「色んな思いでトモニーを利用しているんだね」とぽつり。みなさんと楽しそうにされている様子を見ることができ温かい気持ちになりました。 相談支援室・ほくほく 9月 2日 北部自立支援協議会運営会議参加 7日 北部自立支援協議会支援会議参加 10日 北部自立支援協議会支援センター部会参加 15日 福祉関係者向け研修会参加 16日 相談支援専門員等スキルアップ研修参加 16日 京都府虐待研修参加 26日 北部自立支援協議会児童部会情報交換会参加 10月 3日 北部自立支援協議会児童部会事務局会議参加 7日 北部自立支援協議会運営会議参加 13日 リハビリテーションセンター研修「精神疾患」参加 13日 ロービジョンネットワーク準備会議参加 19日 北部自立支援協議会虐待判定会議参加 21日 リハビリテーションセンター研修「精神疾患」参加 さまざまな相談に対応できるよう研修を積んでいます!  10月に開催された「京都市地域リハビリテーション推進研修」に参加しました。内容は「発達障害の特性理解とその支援」「アルコール依存症」「うつ病について」で、医師等から具体的な対応についてお聞きしました。日々様々な相談が寄せられる中、少しでも「相談してよかった」と思っていただけるよう学んでいきたいと考えています。 ライトハウス朱雀 9月 4日 人権文化の集い参加(養護) 10日 介護予防教室(養護) 12日 お月見週間(デイ)(?17日) 18日 敬老会(養護) 10月 8日 壬生保育所運動会見学(養護) 9日 民謡クラブ発表会(養護) 10日 運動会(デイ)(11日) 15日 介護予防教室(養護) 17日 外食会週間(デイ)(?21日) 30日 ライトハウスまつり/フランクフルト販売 行事も充実しています  デイサービスセンターライトハウス朱雀は、視覚に障害のある方もそうでない方も、気軽に来ていただける憩いの場です。朝は皆さん揃って音楽にあわせたストレッチ体操を行い、ゆったりと入浴や機能訓練も行っています。触覚で楽しめる箱の中身当てゲームやカラオケ大会で盛り上がったり、他には外食で回転寿司に行ったり、嵐山方面までドライブに出かけることもあり、楽しく元気に活動中です。  どの曜日も、まだまだご利用は可能ですので、お気軽にお問合せください。 お知らせ 第46回「京都ライトハウスボランティア・利用者のつどい」ご案内  長年、情報部門のボランティアとして活動していただいている皆さまに感謝状をお贈りします。また、今年は、尺八の師範であり、音訳指導者として全国的に活躍されている全盲の安田知博氏に「尺八でいつの間にかバリアフリー」と題して、尺八演奏と講演をしていただきます。多くの方のご参加をお待ちしております。 日時:3月2日(木)13時〜16時 場所:京都ライトハウス4階あけぼのホール ※参加を希望される方は、なるべく事前にお知らせください。 お問い合わせ・お申込み先:情報ステーション 第42 回視覚障害者福祉啓発事業「あい・らぶ・ふぇあ」見えない・見えにくい人たちのくらしを知ろう?子どもから大人まで?  今回は幼少期、青年期、高齢期に沿って、くらしを知っていただけるよう展示を工夫しています。また、昨年大きな注目を集めたリオパラリンピックの女子柔道銅メダリスト廣瀬順子氏をお招きします(2月4日13時予定)。スペシャルトークであの感動をもう一度!ぜひ、ご来場ください。 日時:2月2日(木)?5日(日)10時〜18時(最終日のみ17時まで) 場所:大丸京都店 6階イベントホール 6P、7P、8P、9P 特集 「あいあい教室創設40周年」〜時代を超えて大切にしてきたものをこれからもずっと〜  ライトハウスの階段を上り下りしていると、2階から聞こえてくる楽しそうなピアノや歌。あいあい教室はライトハウス内で唯一子どもたちがいる部門です。そんなあいあい教室は去る11月27日、ライトハウス4階あけぼのホールにおいて、40周年記念のつどいを行いました。200名近い方がご参加くださり、改めて歴史の重みを感じます。何よりあいあい教室を利用する親子と職員とが、お互い支え合ってきた絆があってこその40年でした。 煖エ前所長に聞きました 手探りだった当初の取り組み あいあい教室は、視覚に障がいがある子どもとその保護者のための教室として、1976年10月に産声を上げました。同様の事業としては全国3番目で、どう進めていくかは手探り。20代の女性職員4人が、当時先進的な取り組みを行っていた東京都心身障害者福祉センターに長期研修に行ったり、自らが出産育児を経験したりしながら作ってきたのが今の取り組みの原点です。煖エ弥生前所長は「大変だったけど、楽しかった。やりがいがあった」と当時のことを振り返ります。  「その頃はインターネットもなく、お母さんたちが情報を得る術もなかなかありません。地域に点在し孤立しているお母さんに手を差し伸べるため、京都府内の保健所や児童相談所、病院を訪問しました。また府内全域の幼稚園・保育所に『視覚障がい児実態調査アンケート』を送付し、実態を調べました。その情報を基に自宅に訪問し、相談活動を始めました。初めての自宅訪問は、若い私たちにはとても勇気が要りました。京都府北部に住む親子のところにも、大きなカバンにおもちゃをいっぱい詰め込み出かけました。子どもが楽しそうに遊ぶ姿を見て、それまで目の見えないわが子の育児に一人で悩んでいたお母さんは、次回の訪問を待ち望んでくださいました。  その後、視覚障がい当事者の石田全代がスタッフに加わったことは、お母さんたちの心の支えとなり、あいあい教室の事業の充実に大きな力となりました。」 古川現所長に聞きました ?「早期支援」「家族支援」「啓発」がとても大切です? 目の病気が分かったお母さんの一番不安な時期に寄り添いたい  あいあい教室は「早期支援」を大切にし、0歳の赤ちゃんから受け入れを行っています。産まれてすぐにでも、目の病気や障がいがわかったときの親子の力になれるように、子どもたちへの丁寧な療育を続けてきました。視覚障がいは、生後すぐに目の病気が分かることもあります。  不安でいっぱいのお母さん。最初は、病院や保健師の紹介、お母さん同士のつながり、インターネット検索などであいあい教室を知り、連絡をとってこられます。「あいあい教室の雰囲気が温かくて、子どもが歌を歌っているだけでも受け入れられていると実感した。同じような思いでいろいろな親子が頑張って通っているという空気が伝わってくる」と、あるお母さんは話されました。あいあい教室には視覚障がいの子をもつお母さん同士をつなぐという役割もあり、「一人ぼっちじゃないよ」と知っていただくことも安心感につながります。 お母さんたちの言葉  お母さんたちに「ここに来るようになってからの変化は?」と尋ねると、「子どもの表情が明るくなった」「子どもの見え方に気づけた」「いろいろなお母さんとお話しでき、自分の気持ちも出せて、もやもやが晴れた」などの答えが返ってきます。  「自分もそうだから分かるけど、親も心の中で泣いている。『ここに来たら落ち着けるよ』と他のお母さんたちにも伝えてあげたい」という言葉が印象的でした。 お母さん任せにせずに、家族みんなで理解して  もう一つ、あいあい教室で大切にしているのは家族支援です。保護者の思いに寄り添いながら、いろいろな相談を受けていますが、その際、母親だけでなく、父親との関わりも大切にしています。家族に“あいあい教室”を知ってもらうことは、家族みんなで子育てをしていくきっかけになり、お母さんの気持ちもぐんと楽になります。  毎年夏にはあいあいに通園している子どもたちのお兄ちゃん、お姉ちゃんが集まり、点字体験や館内探検などで視覚障がいのことを知ったり、交流を深めたりする「きょうだい児のつどい」を行います。秋には「お父さんたちと遊ぼう」という行事もあります。  あいあい教室には、時代を超えて長年愛されているおもちゃがたくさんあります。お父さんたちが手作りしたり、市販のものを使いやすく改良したりしているものがあります。そういう作業を通じて、お父さん同士のつながりも生まれてきます。 「啓発」の重要性  あいあい教室は身体障害者手帳の有無にかかわらず、視覚に不安のある子どもさんへの支援を行っていますが、京都府内でも、地域によってはまだまだそのことが知られていません。孤立した親子がいたり、どうしていいのか分からないという不安を抱えておられたりする中で、「視覚に何かあったらあいあい教室がある。通園や訪問・相談もできるということが少しでも広まれば親子の安心につながっていくと思う」と古川所長は啓発の重要性を訴えます。視覚障がい児の受け入れに不安を持つ保育園・幼稚園などに理解を求めていくことも重要であり、あいあい教室では園訪問や、「視覚障がい疑似体験」も継続的に行っています。 あいあい教室40年のあゆみ 1976(S51)年 9月 視覚障害児母子通園事業開始 1978(S53)年 4月 「たんぽぽつうしん」(現「あいあいつうしん」)創刊 1980(S55)年 4月 「あいあい教室」と命名(目の“eye”と愛情の“愛”にちなみ名付ける) 1981(S56)年 4月 「父母の会」発足 1983(S58)年 7月 地域の小学校に通う弱視児の為の「夏期弱視訓練(サマースクール)」開始 1995(H7)年 2月 第1回京都視覚障害教育フォーラム開催(京都府立盲学校・京都市弱視(アイリス)教室・あいあい教室) 2003(H15)年 4月 対象を小学1年生まで拡大 2004(H16)年 4月 給食開始(長年の保護者の要望が実現) 2011(H23)年 4月 土曜療育の開始 2015(H27)年 7月 放課後等デイサービス検討委員会(全4回) 心強い先輩方の存在  あいあい教室では、保護者と先輩保護者との交流会を開いており、先輩保護者は、いつも今の子どもたちのことを気にかけてくださいます。また、巣立っていった卒園生の中には中学・高校生になってからボランティアとして関わってくれる方もおられ、在園児や保護者にとって心強い存在です。  そんな中、あいあい教室を卒園し現在は中学校に通う田渕ゆづ きさんが、11月に職場実習で来られたので、少しお話を伺いました。部活動で吹奏楽部に入り、柔らかい音色のホルンを吹いておられることから、「大きな古時計」や「エーデルワイス」も聴かせていただきました。学校では授業も楽しくて、特に理科が好きなのだとか。  在園していた頃は「ここに来るのが楽しかった」と振り返り、「教えてもらった単眼鏡の使い方は今でも役立っている」と話されます。「あいあいは全盲でも弱視でも、これから生きていくうえで必要なことを学べる場。その人その人に合った対応をしてもらえるところが魅力です」と力強く語ってくださいました。  あいあい教室では、子どもたちが併行して通っている保育園や幼稚園との連携も大切にしています。園との関係が良好なことが子どもたちや保護者にとってもプラスに働き、地域で生活していくうえでも重要です。 子どもを真ん中にして…これからも  あいあい教室は児童福祉の制度が目まぐるしく変化する中、他府県の方も受け入れるなど、その時々のニーズに柔軟に対応してきました。  現場の職員の感覚はもっと自然体で「子どもを真ん中にして、寄り添い、向き合い、共に歩いていくという感覚。それが当たり前の普通のことで、日々がその延長」だと語ります。他方、「全国的にみても数少ない事業であり、視覚障がい乳幼児の療育をリードし、ニーズに応えていくという使命があると感じる」とも。  また、「初めて相談に来られるときにはお母さんも不安でいっぱいだけれど、その気持ちをほぐし、安心してもらえる関係を作り、その安心感をずっと持ってもらえるように頑張っていきたい」と強い決意をにじませます。そこには40年前と変わらない、力強くも温かい眼差しが感じられます。  これまでの積み重ねを大切にし、創設の頃からの思いをこれからもずっとつないでいきたいものです。 10P おれい 京都ライトハウス法人本部 2016年9月1日?2016年10月31日  寄付金 47件 1,791,964円 多額のご寄付を賜りました。 永和化成工業(株)様 梶 宏様 京都ウイメンズクラブ様 (公財)京都オムロン地域協力基金様 (株)サン工芸様 (株)創医様 塚本やすこクリニック様 堤 明子様 任天堂(株)様 立命館小学校9期生保護者一同 代表佐野秀男様 ローム(株)様 (株)ワコール様 ありがとうございました。 寄付金 (株)イシダ ウサギヤ (株)カジヤマプロテーゼ 加藤博史 川上武司 京視協分会 京都から竹民謡会 (公財)京都新聞社会福祉事業団 京都博愛会病院 京都室町ライオンズクラブ 京都府鍼灸マッサージ師会 久我の杜ボランティアサークル 虹のメロディ 国際ソロプチミスト京都?北山 寿司のむさし 高橋夏江 タキイ種苗(株) 立見和正 富村税理士事務所 中野眼科朝日会館診療所 中橋彌光 夏梅誠一 はくたんストラップ制作委員会 藤井和夫 松尾清三 丸山裕一 蓑田忠博 目の愛護デー 弓削眼科診療所 吉田久枝 楽只自主防災会 匿名5件 物品寄付・ご奉仕 あすなろ会 明日の友誌上ボランティア 大阪友の会 天岡宏 飯塚涼子 生島芙美江 池田孝嘉 井後あかね 石川泰史 石田千春 一谷孝 市邊愛佳 井上ジュン 井上千恵子 井上千嘉 井上正子 今井悟 井本百合子 内田主男 内田務 宇野宏美 オーガスティンジョナサン 大空奈央 大谷八重子 大槻みゆき 大戸明美 大橋東洋彦 岡野伊三郎 奥田まさ子 奥村久子 奥山晴生 海田礼子 梶原清一 片岡黎 加藤紀江 鎌田啓子 菊沢喜八郎 木瀬冨美子 北垣せつ子 北川吉子 北村喜久子 北村貞人 北脇圭二 木村芳子 京都産業大学新社会ボ ランティアサークル 京都PANA - ALC 久世敏代 熊谷優花 倉橋泰子 小松朝子 さえずり会 榊美智子 佐久間正雄 櫻田朋子 佐渡和代 柴尾美幸 柴田慶子 清水嵩平 下奥重望 (株)朱常分店代表取締 役社長西廼直行 白坂澄夫 城野時一 杉浦洋子 住山旦子 瀬川嘉子 煖エ桂子 谷口虹子 塚本慶子 辻井玲子 辻謙一 辻美也子 土田泰子 寺本茉由 点友会 東海和子 徳満凛也 鳥飼幸子 長曽葉子 中台不二子 中西博子 南條康子 西尾紀子 西島きよ子 西出曜子 西松義夫 西村貞子 西村ゆり 野間赳夫 畑勇子 林晃次 一松睦子 廣瀬菜津実 廣田長己 福見久代 藤井綾子 藤田慧子 藤野つるみ 古川悟 逸見邦子 堀田陽子 ボランティアサークルにじ 前田ふじ子 桝井照子 松尾清三 松本すみ子 松本信郎 的場美恵子 三浦豊子 三木正子 宮川尚子 宮永まゆみ (株)ミラノ工務店 村上直子 本草野政雄 森初子 藪佳子 山下祐嘉里 山田恭子 山西利美 横山邦子 吉田善次 朗読グループあいあい (株)わかさ生活 渡部隆三 和田三重子 (50音順・敬称略) 京都ライトハウス後援会 応援いただきました会員の皆さまのお名前を掲げ、厚くお礼申し上げます。 多額のご寄付を賜りました。 2016年9月1日?2016年10月31日 京都医療生活協同組合中野眼科様 ありがとうございました。 2016年9月1日?2016年10月31日 後援会費 45件 90,000円 運営資金等寄付金 81件 759,000円 後援会費と運営・改築寄付金を納入いただきました。ありがとうございました。 青木英展 アキタ眼科医院 浅山孝彦 天野浩之 池田寧子 五十川静江 伊藤修 いなば眼科クリニック稲 葉純子 岩田眼科医院岩田親良 岩間亜矢子 岩見眼科岩見達矢 上野盛夫 卜部公章 大内眼科 大江孝明 小國健一 奥村直毅 影山五郎 勝間寛治 加藤賀千雄 加藤眼科医院加藤恵美子 菊井知彦 吉川太刀夫 木下茂 きむら眼科木村徹志 欅田レイ子 久保元里美 久山元 黒川義直 京阪空調工業(株) 煢ニ近 河野明美 小嶋健太郎 櫻井一郎 酒元モモエ 佐野眼科診療所佐野裕志 佐野洋一郎 芝山眼科芝山明子 浄福寺診療所永原誠子 白枝順子 杉山ひで子 鈴木君江 鈴間潔 関山英一 煖エ総子 煖エ義公 武田文子 竹村成子 多田万砂子 田端節子 (医)千原眼科医院 辻本竜也 綱木加奈子 百々眼科診療所百々由加利 内藤きよ美 なかの眼科中野由起子 中見大督 中村葉 錦織房枝 西村久子 狭間直樹 橋本厚子 長谷川春夫 平井豊 平松君恵 弘田トモ子 藤井則之 藤林弘之 本田孔士 まさみ眼科クリニック朴真 紗美 水口幸一 水野雅文 (医)緑会岸田正名 宮尾眼科 山口恭平 山本章雄 山本澄子 弓削堅志 弓削経夫 弓削由佳 横田聡 横出由美子 吉川晴菜 吉川雅子 吉田眼科医院吉田雅子 渡邉隆夫 匿名1件 (50音順・敬称略)    11P おれい 京都ライトハウスまつり2016?届けよう!絆のチカラ?  10月30日の晴天の下、約1,200人の皆さまにご来場をいただきありがとうございました。また、ご協賛いただきました皆さまにはご芳名を掲げ、あらためまして感謝申し上げます。(順不同・敬称略) 浅井石油(株) アサヒ飲料販売(株) (株)魚国総本社京都支社 (株)エーディックスア・デペシュ京都八条店 (株)エスアールエム 小川珈琲(株) お食事処ちどり (株)カスタネット かふぇじーの 関西環境サービス(株) (一財)関西電気保安協会京都支店 (有)京花園 京菓子處鼓月 京菓子舗佐藤 京つけもの処大こう本店 京都紙商事(株) 京のお漬けもん処近為 金時 クサカ自動車(有) (株)Gleaner (株)公益社 コカ・コーラウエストベンディング(株) (株)コストトレード コニカミノルタジャパン(株) (株)小林鉄工所 サイクルショップエイリン サワ化粧品店 (株)サン工芸 (株)三光商事 参天製薬(株) (有)時代工房 (有)紫竹庵 (株)実業エージェンシー (株)シミズ・ビルライフケアS・BLC関西社 (株)杉原商会 寿しのむさし (株)千本玉壽軒 大福餅 大和電設工業(株) (株)タケウチ ツヅキオートサービス デジカメプリント激安王ローヤル23千北店 (株)豊原電気土木 (株)内藤建築事務所 (有)NOW (株)中川工業所 NaturalFoodsandSakeまほろば (株)西村信天堂 パン工房ヒロ (有)ひのでやエコライフ研究所 ふくしま鍼灸整骨院 (株)フジタ ふたば書房紫野店 北京亭北大路本店 三井田商事(株) (株)ミラノ工務店 メガネの井上 八百仙 山城紙業(株) レクサス北大路 ※京都ライトハウスまつりの様子についてはホームページに掲載しています。 12P 京ラの窓  新たな1年を迎え、この1年の抱負や今の気持ちを書き初め風に漢字で表しました。  それぞれの似顔絵も合わせてお楽しみください。 初発 新たな年を、新たな気持ちでスタートしたい!初心にもどり、確かな一歩を踏み出していきたいです。 (鳥居寮 久保弘司) 氣 どんな時も気の持ちようで、楽しい方へ。そんな柔軟な心で過ごしたいと思います。 (情報製作センター 小山佳代) 多様性 様々な人・物どれが欠けても社会は成り立ちません。それぞれを尊重し、出会いを楽しめる一年にしたいです。 (ほくほく 栗山拓也) 原点に戻る 船岡から朱雀に来て、自分自身原点に戻り、一からのスタートを新しい職員と利用者の方と一緒に築いて、養護の朱雀を盛り上げたいと思いこのような言葉を選びました。 (ライトハウス朱雀 中村優) 笑門来福 笑う門には福来たる。何事も前向きに、明るく楽しくまいりましょう! (情報ステーション 高木美智子) 大願成就 野球指導10年目の年、全国大会で優勝したいっ!!今年は公私ともに大きな目標がありますが、「公」は内緒(笑) (FSトモニー 山本征司) 新 新しい年を迎えて、心一新して仕事を行うためにこの字を選びました。 (らくらく 大野木達矢) 真実一路 「ただひたすらに、一筋に生きる」。新年の始まりに、凛として深く心に響く言葉です。 (あいあい教室 冨田裕美子) 翔 酉年の「とり」に因み「翔」。2拠点となったライトハウスが羽ばたく年となるよう、連携よく努めていきたいです。 (法人事務所 北村和子) つながる京ラ  京都ライトハウス(京ラ)は色々な方とのつながりの中で、日々成長させていただいています。このコーナーではそんなつながりの一場面をご紹介できればと思います。  ライトハウス本館1階にある用具販売コーナー。ここでは、ものを通じて人の思いがつながる、そんな場面に出会えます。例えば折れた白杖が持ち込まれたら、丁寧に修理。どう頑張っても修理できないこともある。だけど、ここに来れば何とかしてもらえる、という利用者さんの思いに応えたい。  年に2,3回開催しているミニ展示会?ちょっと来てミー?ではつながりがさらに広がります。最新の機器を始め、スマートフォンやICレコーダーなど、ちょっと気になる機器が行き慣れた京都ライトハウスで気軽に試せるとあって、参加者からは?また何か面白い企画を頼むで?と期待の声。担当職員の横田は、「用具や便利グッズを使うことで、生活の質が豊かになってもらえれば?と思いを語ります。?僕自身全盲ですが、接客の際、例えば値段や色などを訊ねられたときに早く正確にお答えできるよう、環境を整えておく。そういった小さな積み重ねが重要です」  カウンターからは、今日も朗らかな笑い声が聞こえてきます。これからも、皆さまとの新しいつながりが生まれることを願っています。 編集後記  あいあい教室40周年。支えてくださる皆さまへの感謝とともに、私達が担う役割と責任の大きさを感じます。これからも親子みんなの心の明かりとなり、希望となり、愛され、生きつづける教室で在りたいと願っています。 (冨田裕美子)