京都ライトハウス通信 13年10月21日 NO.135 第31回 鳥居賞 青木陽子氏受賞  9月11日、京都ライトハウスあけぼのホールにおいて、鳥居賞の伝達式が約80人の参加で行われ、田尻彰故鳥居篤治郎先生遺徳顕彰会代表から第31回鳥居賞受賞者の青木 陽子氏に賞状と記念品・副賞が贈られました。  青木 陽子氏は6歳で視力を失い、努力の末、筑波大学附属盲学校、南山大学を経て、米国ニューヨーク州立大学バッファロー校大学院に留学されました。そこで中国の視覚障害者の厳しい現状を知り、積極的に行動を起こされました。中国初の全盲留学生として天津外国語学院に入学、1994年には私財を投じてマンションの一室に、天津市視覚障害者日本語訓練学校を設立されました。また同年には、アジア視覚障害者教育協会を創設されました。  点字や拡大文字による日本語教育、国際交流事業の推進などさまざまな支援活動を行ってこられて、これまでに視覚障害学生241人(健常者も含めると478人)に日本語を教え、日本留学や日系企業への就職に導かれました。  また、天津所在の国営ラジオでのレギュラー番組などを通じて視覚障害者の地位向上に努められるなど常に困難を克服し、新しい道を切り開いてこられました。中国政府が教育・文化などに貢献した外国人に贈る「友誼賞」を受賞されるなど、中国国内でもその実績は広く認められています。  2012年には 特定非営利活動法人アジア障害者教育協会を設立し、障害を持つ人にも働ける「サフィーナ上尾作業所」を開所されました。サフィーナとはアラビア語で「船」を意味し、人生の大海原にみんなで力を合わせて漕ぎ出そうという熱い思いが込められています。  視覚障害者の教育発展に長年にわたってご尽力されたこれらのご業績は、鳥居賞に値するものと高く評価されました。  青木 陽子氏からはご受賞のご挨拶をいただいた後、記念講演をしていただきました。    ***記念講演<摘録>***  組織と闘う男、半沢 直樹のように私も日々闘う女です。社会悪や時代の濁流と、そして自身の中に潜む内なる敵、弱い自分と闘っています。名付けて三つの闘争。  中国では、勝手気ままな私の学生・その父母、中国政府、障害者団体、盲学校などなど。大きいのは言論におけるタブーです。大学に対して、講義で触れてはいけない8項目が政府から通達をされました。尖閣問題とか大気汚染など。  日本では、NPO法人の立ち上げにあたって、貸し渋りをする金融公庫さん、助成金を出し渋る国や地方組織とも。このNPO法人での受益をもくろむ人達。この1年間で、私も脅しをかけられました。だが、それに屈するものではありません。  もう一つ、家では、認知症におかされた両親を相手に、日々介護バトルを繰り広げております。  なぜ、なんのために闘わなければならないのか。 そして、勝利するために何をなすべきか。結論から申し上げます。社会で、とかく特約団体の権益に左右されがちな縄張り主義的体制が常態化している。その不条理な状況に一石を投じ、いわれなき差別や偏見に苦しみながらも、懸命に生きる人々が報われる社会の構築こそが究極目標です。  私の好きな言葉にJ.S.ミルの言葉あります。 「人間性とは、型にはめられて予定通りに動く機械ではなく、内なる活力に従ってあらゆる方向に伸びようとする樹木である」。障害者として生きるということは、型にはめられた人生を背負うことにほかなりません。でも、人は試練があるからこそ向上心が芽生えるのではないでしょうか。  孔子は知識の広さをほめられたとき「若いときに非常に貧乏をし、汚れ仕事もした。だから色々なことをよく知っている」と言われた。逆境に置かれたときに、そこからいかにして逃れるか。それを試行錯誤するその過程で、人は素晴らしい能力を身につけるのではないでしょうか。そういう意味では私は、障害者というのは挫折や失敗が人一倍多いわけですから、人一倍学ぶ機会も多いと思います。私自身、 成功者であるよりも、もっとも有能な失敗者でありたいと常に思っています。そこで身につけた能力、エネルギーというものをよりよい社会づくりのための活用を考えること、これが私は自立ではないかと思っています。  こういう思想がどうやって身についたか。一番目は普通校でのいじめが大きな転機でした。私は困難を克服しようとするタイプでした。身を削るような生き方をする末に、必ず幸せがやってくる、報われるんだと信用していました。学んだ教訓は、ありのままの自己を受け入れ、運命を呪うのではなくて、障害者として生きる決意を固めること。進学・就職・結婚などなど、人生の岐路でいわれなき差別を受けます。よほどの覚悟がない限り生きてはいけません。目が見えないからこそ、突出したオリジナリティーが必要なんです。オンリーワンですね。できるだけ多くの付加価値を身につけていかないと、弱者は社会から排除されてしまう。一心に学問をして、他者から尊敬される傑出した人物になろう、そういう決心をいたしました。  2回目の転機は小学校6年生。先生から「障害者自らが立ち上がらなければ、社会は改革できないんだ」ということを、日々教え込まれました。  「ぶれない・群れない・屈しない」、これを青木三原則というんですけれども、このときの教えで目から鱗が落ちました。能力を身につけて権利を主張するのではなく、その能力を知ってもらうことで差別のバリアを除去していこう。そして差別について、原点となる被差別部落問題を学びました。学ぶことの明確な目標、社会改革とオンリーワンになるための自己形成です。  それから始まったさまざまな戦いをフロンティア作戦と名付けました。まず第一回目のチャレンジは、筑波の付属盲学校に在籍していたんですが、近辺の進学塾に入塾を申し込んで、当然断られます。その事実を英語のスピーチにして弁論大会に出席してぶちまけました。  大学は名古屋の一般校に進学し最初は寮に入ったんですが、3年生のときから多くの反対を押し切って自炊生活をしました。それから教育実習。普通は母校の盲学校ですが、この大学の付属高校国際部で教育実習をすることに成功しました。生徒たちからも非常に評価が高くて、目が見えないことは関係ないんだという言葉を得ました。  そして最後の仕上げは米国留学です。アジアの教育に貢献したいと渡米しましたが、米国の抱えている問題に幻想が崩れて、帰国しました。  就職活動では、自己の存在価値を面接で徹底的に否定されました。人に使われる仕事はしない。社会的資源を活用させていただく立場、CEOになりたいと思いました。  そして中国です。8300万人もの障害者がおり、そのうちの1233万人が、視覚になんらかの障害を持っておられ、進学・就職・婚姻等でかなりの制約を受けざるを得ない。そうした方々を、日本語を教えることで自立させたい。そんな思いで20年、私は教育活動に取り組んできました。以来、60坪程度の小さな私学ではありますけれども、多数の障害者を受け入れました。  この10年間で、中国は大変動を遂げました。社会主義計画経済の時代から未曽有の超資本主義ともいわれる市場経済化が進む中、中国の若者たちは就職難・結婚難・住宅難など、行き過ぎた経済成長がもたらした厳しい生活環境にさらされて、所得格差は急拡大。今や中国の社会システムにセーフティネットはないと言っても過言ではありません。失業から精神疾患、さらに挫折へと追い込まれるケースも多発しているんです。  中国では、92年に障害者雇用促進法が制定され、障害種別配分規定が盛り込まれました。視覚障害者を1人雇用すれば、ほかの身障者を2人雇用したことになる。06年以降、法定雇用率の達成義務がさらに強化されましたが、名義貸しという手段で障害者を雇用しているように見せかけ、追徴金逃れをもくろむ企業もあります。  09年に中央政府が、障害を持つ大卒者の雇用創出の重点化を掲げたので、今後、学歴や資格を重視する方向へと急速にシフトしていくものと思われ、障害者教育の底上げにもつながるでしょう。しかし、職種・職場・就労形態の選択によって、障害者の間に新たな所得格差が生じます。  私の学校では、ほぼ9割が、日系企業・盲学校・あんま治療院等々で働いています。ネットショップを立ち上げた者、自宅開業者もいます。自分の稼ぎで海外旅行を楽しめる。私はこの仕事をしていて良かったなあと思いました。  我が校では、障害者と健常者がともに学び合う中で、互いを一人の人間として受け入れ理解し、助け合い励まし合いながら、各人の能力と人格の向上を目指すインクルーシブ教育で、これは私が誇る、宝にしていることです。  人は一定の職業と定まった財産があれば、心にそれだけのゆとりを持てますが、そうでないと精神的に不安定となります。困窮して路上生活に陥り、行き場を失った障害者の犯罪率が極めて高いことは課題です。将来成功した、視覚障害最高経営責任者たちが資金を出し合って、視覚障害者の起業をバックアップする無担保融資システムを構築できたなら、どんなに素晴らしいでしょう。しかし、言うは易く、行うは難しです。それには視覚障害当事者の健常者を使いこなす力量と、その右腕として奔走する健常者の頭脳や人徳が問われると思います。  そしてサフィーナ。「道徳なき経済は犯罪である。経済なき道徳は寝言である」。これは江戸時代の思想家、二宮 尊徳が残した名言です。まさに今、世界が道徳なき合理主義経済に向かってひた走る中、昨年、NPO法人アジア障害者教育協会を立ち上げ、知的障害者と精神障害者に働く場を提供する、就労継続支援A型事業所を開設しました。発砲スチロールの減容やペットボトルの圧縮作業などを行い、それらをリサイクル業者に販売することによって収益を上げるという、いわば社会福祉とビジネスを融合させたプロジェクトです。ワールドワイドな一大プロジェクトに育てようと私自身が命名しました。現在4人の指導員のもと、19人の障害者(知的障害者11人、精神障害者8人)が、時給771円で週30時間作業にあたっています。雇用契約によって社会保険や雇用保険に加入できるほか、厚生年金ももらえる破格の待遇です。  「ついに自分の居場所を見つけました」「ここには一緒に働く仲間がいます」「いつか自活できるという希望もあります」。心を閉ざし続けてきた従業員たちは皆、満面の笑みで、そう口をそろえます。作業所内にはいつも彼らの笑顔と笑い声が絶えません。  障害者自立支援とは、障害当事者が社会的・身体的制約を突き崩し、内なる活力に従って、あらゆる方向に延びようとするのを手助けすることであると、私は確信しています。障害とは、逃れようのない運命や宿命などではなく、未知なる可能性に向かって踏み出すための素晴らしいチャンスであると伝えたいのです。   私は、日本には誇るべきものが二つあると思います。一つは、大変手厚くきめの細かい社会福祉制度です。そしてもう一つは、献身的なボランティア精神です。日本には長年蓄積してきたノウハウがあります。今こそ、そのノウハウ、社会福祉の技術を、そして献身的なボランティアの精神を海外に輸出すべき時ではないでしょうか。ここで働いておられる皆さん、この地球で最も善良な地球市民の皆さん、皆さんはその民間外交の一翼を担う素晴らしい存在であることを忘れないでください。  私が座右の銘としている言葉が一つあります。江戸時代の儒学者、佐藤 一斎の言葉です。  「一燈を提げて暗夜を行く。暗夜を憂うることなかれ。ただ一燈を頼め」。  混沌とした閉塞感漂うこの社会にあって、その行く手を照らす唯一の灯りは、自分をおいて、ほかにはないのではないでしょうか。  私の中に巣くう内なる敵。そして皆さん一人一人の中にすむ内なる敵。その内なる敵に勝利して、私と皆さまとともに手を携えて、差別や偏見に苦しみながらも懸命に生きている人々が報われる、素晴らしい社会を築き上げていこうではありませんか。  先ほど鳥居先生のお言葉で、「目が見えないというのは不自由なんだけれども」という言葉がありました。そのことに関連して、私がいつも学生たちに言っている言葉を一言述べさせていただきたいと思います。目が不自由である。耳が不自由である。手足が不自由である。そんなことはどうでもいいことだと思います。私自身、心が自由でありさえすればそれでいいと思っております。ありがとうございました。 (文責:山本 たろ)   船岡寮NOW  ★LIVF FUNAOKA2013★ 9月7日にハムスターズの皆さんが来てくださいました。  毎年、夕食時に食堂で生の演奏を届けてくださるハムスターズの皆さん。船岡寮ではファンも多く、この日を待ち望まれていた方もたくさんいらっしゃいます。夕食が始まる前からソワソワされている方も何名かおられて、リハーサルの音合わせを聞くたびに「楽しみだなー」と所々で声が聞こえていました。  夕食の配膳が終わるといよいよ演奏スタート!いつもは夕食を食べ終わると早めに帰室される利用者さんも、今日ばかりはアンコールまでゆっくりと食後のひと時を楽しまれていました。やっぱり生の演奏は盛り上がりますね。食堂を包み込むような音色と、体で感じるリズムに手拍子で、心まで弾むような楽しさでした。「やっぱり音楽はいいな」と満面の笑みで言われた利用者さんの言葉が印象に残っています。正にその通り!やはり音楽はいいものです。  「君といつまでも」や「ブルー・シャトウ」など、懐かしの名曲から一緒に口ずさめる曲まで、幅広いレパートリーを届けてくれたハムスターズの皆さんに今一度拍手を!船岡寮一同、またの演奏会を楽しみに待っています。                           (重 雄次郎) 新 船岡寮(仮称)  建設に向けて(イラスト)改築プロジェクト会議より  船岡寮の利用者さん・職員ともに、長い間「夢」のように語り合ってきた「新しい船岡寮」について、改築推進室の三島室長と船岡寮職員の皆が、改築実現に向けての具体的な話し合いを重ねてきています。  まず最初に「新しい船岡寮」をどのような施設にしたいかということについて、今、実際に、介護や暮らしの場面で困っているところを出し合い、それをどのように理想に近づけていくかというところから始めました。施設での暮らしで大切になる「食事(食堂)」「入浴(浴室)」「排泄(トイレ)」「住み心地・趣味や憩いの空間」などにパートを分けて、話し合いを進めました。生活相談員・介護職員・看護師・栄養士など全職種がそれぞれの立場から意見交換を行いました。新しい施設の規模など未確定な事が多い中ではありましたが、一つ一つ丁寧に話し合いました。  視覚障害高齢者にやさしい特別養護老人ホームなども一緒に建設することが決まってからは、新船岡寮(仮称)が運営していく「特別養護老人ホーム」や「盲養護老人ホーム」、「デイサービス」などの事業別にグループ分けを行い、話し合ってきました。  また、それぞれのグループで、他施設の見学や実習を活発に行いました。特別養護老人ホームなどでは、比較的新しい施設の設えや利用者の暮らしの様子を中心に見学をしてきました。そして、原点である盲養護老人ホームの理念や方針についても再確認の必要性を感じ、他府県の盲養護老人ホームも見学しました。  特別養護老人ホームなどでは、ユニット型*で温かい雰囲気で暮らされている様子、また、その施設ならではのこだわりなどが随所に感じられ、施設によって方針が違えば暮らしも変わることを実感として学びました。  そのようなことを経て、日々の介護の場面の課題からさらに視点を大きく持ち、利用者さんがどのように暮らしたいのか、職員はどのような関わりをしていきたいのかという「新しい船岡寮」の理念について、職員間で話し合いを深めました。  「視覚障害高齢者にやさしい特別養護老人ホーム、船岡寮」という言葉の中に含まれる、その人らしい暮らしを目指すことや温かいケアの方向性を見失うことなく、新船岡寮(仮称)建設の実現に向けて、これからも職員一同、一致団結して取り組んでまいります。               (小山 恵美子)  (イラスト) ユニット型* … 介護保険施設や特別養護老人ホームなどで、おおむね10人ほどの少人数を1つの生活単位(1ユニット)とし、一般的に1つの施設で数ユニットを持つ。各ユニットには、個室と、台所、食堂、浴室などの共用スペースが併設されており、少人数の家庭的な雰囲気の中でケアを行うことを言います。 部署通信 京都ライトハウスだより ☆情報ステーション☆  情報提供の新たな飛躍のため  日本眼科医会によると、国内の視覚障害者数は164万人で、内、ロービジョンの方は144万人おられるそうです。しかし、見え方の程度は様々で、どのようなサービスを期待されているのか、もう一つ把握できていない状況です。  そのような中で、拡大図書の貸出や視覚等の障害者に対するデイジー図書の貸出など、公共図書館との連携で新たなサービスを模索するため、京都府内の公共図書館を対象にアンケートを実施しました。  30館中29館から回答が寄せられました。なお、京都市内の19館は中央図書館の回答に一本化しました。主なところでは、@拡大読書器や対面読書室はあっても、利用度は低いということ。A拡大図書は比較的よく利用されていること。B視覚障害者情報総合ネットワーク「サピエ」に関しては、「加入を検討中」が2館、「詳しく知りたい」が13館と関心の高さが伺えました。C今後の障害者サービスに関しては、充実させたいが6館、できるだけ応えたいが12館でこちらも期待がもてそうです。  このように関心をおもちいただいていますので、サピエやマルチメディアデイジー、タブレット型端末による読書などの情報発信を強化し、情報提供の新たな飛躍につながればと考えています。(田中 正和)  ☆らくらく☆  1日外出に行ってきました  らくらくでは年1回、日帰り旅行(1日外出)を行っています。今回は、利用者さんへ事前に行ったアンケートをもとに月ごとにコースを分ける4つのプランを企画し、それぞれご希望のコースを選んでいただきました。5月に『わくわくショッピングツアー!』と題して京都駅前のイオンモールへ。たくさんのお店を前にお目当ての商品目指して、思い思いにショッピングをされました。数名の方は映画も鑑賞され、「久しぶりに映画館に来た」という方もおられ、楽しまれたようです。6月は『はんなり京都ツアー!』がありました。三十三間堂と西本願寺を巡るこのツアーでは、「ずっと京都にいたけれど今回初めて来れた」という声もあり、京都ならではの趣ある雰囲気が味わえました。7〜8月の『がっつり琵琶湖博物館ツアー!』は県外ということもあり人気がありました。大昔の化石を触ってみたり大きな魚にびっくりしたり、興味津々で館内を散策しておられました。  普段訪れることのない場所へ来たことで笑顔になる皆さんを見て、本当に良かったと思いました。これから秋にかけて『ドキドキ動物園ツアー!』が控えていますが、安心して楽しい時間を過ごしていただけるようにしっかりと準備をしていきたいと思います。                (杉田 耕史)   ☆あいあい☆  きょうだい児のつどい  −きょうだい児が主役になって楽しみ、   仲間になれる場を−  7月31日、今年で3回目となる「きょうだい児のつどい」を行いました。小学1年生から5年生の子どもたち9人が集まり、さっそく点字体験からスタート。「右から打つの?」「間違えた!もう一回」とみんな熱心に取り組み、「名前が書けた」と大満足の笑顔でした。  すっかり気分もほぐれたところで、自己紹介の後は擬似体験に挑戦。目を閉じて行うボールゲームでは、めいっぱい両手を伸ばしてみたり、「こっち」と呼んでみたり…それぞれに普段とは違う感覚で感じる世界があったようです。続く館内見学では、ライトハウスで活躍する視覚障害の職員が案内役。触察地球儀や点訳絵本、音声時計などを触らせてもらい、みんな興味津々で楽しんでいました。  「点字は難しかったけど楽しかった」「新しい友達ができてよかった」「カレーとかき氷がおいしかった」「また来たい」等、全員から想いの詰まった感想文が寄せられ、とても嬉しく思います。現在は、在園児のきょうだい(小学生)に限定した小さな取り組みですが、これから成長していく道でこそ、仲間の存在が大切になっていくのかもしれません。将来、ここで出逢った子どもたちが良き仲間となり、中高生で参加してくれる日を夢見ながら、今後もより充実した“きょうだい児支援”に取り組んでいきたいと考えています。    (冨田 裕美子)  ☆FSトモニー☆  残暑・・流しそうめん会  9月11日、秋とは程遠い暑さの中、初の「流しそうめん」を船岡山公園で行いました。本物の竹を使用した本格的な流しそうめんです。セッティングされた竹を見て、皆さんからは思わず「お〜〜!」という歓声が上がり、驚くほど完璧でした。テントも設置して、熱さ対策はバッチリ。  まずはボランティアさんにお手伝いいただき、アイマスクを付けてゲーム感覚での食事となりました。「全然、食べられへん」「○○さん全部取らはった」など、笑い声が響き、竹の香と水の音を聞き、皆さん楽しそうです。そうめんを堪能した後は、お弁当です。その後も「そうめん」を食べている方がおられましたよ。「大丈夫?」と尋ねると、「楽しくって」だそうです。若い学生のボランティアさんもたくさん来ていただき、会話も弾み、利用者さんの嬉しそうな顔…。食後は、ライトハウスへ戻り「りんごのソフトクリーム」を食べました。「美味しい」「今日は楽しかった」と話が飛び交う中、楽しい会は終了となりました。  竹の準備から設置にご協力いただいた、柏 貴様と桂 雅美様を始め、去年の運動会と同様にご協力いただいた佛教大学の学生の方、本当にありがとうございました。   (日比野 裕加里) 知って得する豆情報!! 「黒い食器について」  弱視の方は、白い食器に白いご飯をよそっても同系色で見えにくいですが、黒い食器にすると、コントラストがはっきりして見えやすくなります。  片面が黒、もう片方が白色になっているまな板は、大根や豆腐など薄い色のものを黒い面で茄子やきゅうりのような色が濃い野菜は、白い面で切ると見えやすくて便利です。  文字の読み書きでも同様のことが言えます。黒い紙に白いペンで書くと文字がはっきりします。また、カレンダーでも黒地に白で書かれたものもあり、弱視の方には「見えやすい」と評判です。  黒い食器などは、ライトハウスの用具部でも販売しておりますので、お気軽にお問い合わせください。 ほうこく ■福祉関係者向け研修会を開催しました。  9月19日に、京都ライトハウスあけぼのホールで、“視覚障害者が求める支援”と題し、副題に〜物を動かすと困るのはなぜ?〜をテーマに研修会を開催し、ケアマネージャー・ホームヘルパー・相談員など福祉関係者26人の参加をいただきました。  これまで一日研修を行ってきましたが、忙しい中参加者が少なく、今年は半日研修を実施しました。まず初めに、視野狭窄や白内障のシミュレーションレンズをつけて、見え方の特徴や作業の困難さを体験していただくとともに、適切な支援を学んでいただきました。そして、今後、障害を持ったお年寄りが増えていくなか、介護保険制度に携わる参加者からの質問やお悩みにも答えるように、ミニ講座「お役立ち情報」コーナーを設け、今後当事者さんの支援に役立ててもらえるお話をしました。  最後に、当事者の体験談「見えなくなって困ること、見えなくてもできること」を話していただき、研修のテーマの理解を深めていただきました。  9月15日から21日は、「老人の日・老人週間」です。大変お忙しいなか介護保険関係者の皆さま方にも多数のご参加をいただき、活発なご意見ご質問をいただきました。  今後とも、地域の福祉関係者とともに、視覚障害者への支援について連携が図れる企画を行ってまいります。      (谷内 博史) おしらせ■京都ライトハウスまつり2013 〜Welcome!人と人を結ぶ灯台〜  今年もご利用の皆さま、ご家族、ボランティアの方々、職員、そして地域の皆さまが一同に会し、交流の輪が広がることを願って「まつり」を開催します。  皆さまお誘いあわせの上、どうぞお越し下さい。 日 時:2013年10月27日(日)     10:00〜16:00 (模擬店は15:00まで、なくなり次第終了) 場 所:京都ライトハウス(全館) ※小雨決行 【催し内容】 4F:あけぼのホール:船岡老人クラブハウス発表会 3F:どきどき☆お楽しみ抽選会!抽選したその場で景品が当たる!    (14:30まで) 2F:見えないこと体験・点字体験、クイックマッサージなど…盛りだくさん!点字クラブ、オセロ、囲碁、将棋(クラブ員と自由に対戦) 1F:寿司・焼きそば・カレーライス・手作りパン・肉まん・チヂミ・    フランクフルト・洋菓子・ビール・ジュースなど模擬店いろいろ! B1F:物品販売、キッズコーナーなど… 【スタンプラリー】 京都ライトハウスで体験しよう! 対象は小・中学生。先着100人。景品もあります。 【エコなまつりを目指しています】 ゴミの少ないイベントにするためリユース食器を使います。 マイバックのご持参にもご協力よろしくお願いします! ■京都府視覚相談会のお知らせ  最近見えにくくなって、読み書きが不便になったり、階段につまずいたり、足元が不安だったりしませんか?  京都府では毎年府内6カ所で目が見えにくい方や見えない方、そしてご家族のための相談会を行っています。 【実施内容】  @個別相談(日常生活での困りごと等)  Aロービジョン相談(福祉機器の活用やアドバイス等)  B福祉機器等の展示(拡大読書器、ルーペ、便利グッズ等)  C体験コーナー(盲導犬、歩行訓練等)  @の相談をされる方は予約をお願いします。  <相談の費用は無料です。      個人の秘密は固く守ります。> 日 時:11月19日(火)11:00〜15:30 会 場:福知山市立会館 総合福祉会館 予約・お問い合わせは「福知山市社会福祉課」TEL 0773-24-7017(直通) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【今後の予定】 平成26年1月21日(火)   向日市立福祉会館 平成26年3月11日(火)  木津川市東部交流会館 お問い合わせは「京都府家庭支援総合センター 障害グループ」  TEL 075-531-9608 ■年末年始の休館・休業のお知らせ  本館休館中は宿直および日直も不在となりますので、ご注意ください。 ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。 ★本館休館 窓口・貸会場 12月27日(金)18時〜1月4日(土) ★各サービスの休業 情報ステーション 12月26日(木)〜1月7日(火) 眼科相談 ロービジョン12月25日(水)〜1月7日(火) 喫茶きらきら 12月24日(火)〜1月6日(月) パソコン相談 12月24日(火)〜1月6日(月) ■「あい・らぶ・ふぇあ」のお知らせ  例年、視覚障害者福祉の啓発にご理解をいただき、大丸京都店様に会場のご協力をいただいていますが、都合により2013年度の視覚障害者福祉啓発事業「あい・らぶ・ふぇあ」は、ゼスト御池の広場を会場に実施することとなりました。  日程は、2月22日、23日となります。  内容の詳細は、1月の京都ライトハウス通信等に掲載いたしますので、もうしばらくお待ちください。 おれい <このコーナーは、5万円以上のご寄付、 ご寄贈いただいた方々をご掲載しています> 皆さまからのご厚志はライトハウスの事業運営資金として活用させていただきます。ありがとうございました。 ■茂木 幹夫様  6月 7日 多額のご寄付を頂戴しました。 ■京都北ロータリークラブ様  6月13日 多額のご寄付を頂戴しました。 ■安部 敬二様  7月18日 多額のご寄付を頂戴しました。 ■参天製薬(株)様  7月31日 多額のご寄付を頂戴しました。 ■新子 嘉規様  8月28日 多額のご寄付を頂戴しました。 ■丸清木材(株)様  毎月定期的に多額のご寄付を賜り、ありがとうございます。 ■(株)わかさ生活様  毎月定期的に多額のご寄付を賜り、ありがとうございます。 ■ワコール労働組合様  今年も、ワコール労働組合様からのご寄付により、ガイドブックシリーズ8作目、点字版「楽楽 東北」(全5巻・付録付、ドット・テイラー製東北地図付)を、希望が寄せられた全国の点字図書館・盲学校等の中から60施設を抽選で選び、7月17日に送付いたしました。ワコール労働組合様は、組合員からのカンパを原資として、京都ライトハウスが行う点字図書出版事業を中心に、1982年から継続してご援助をいただいております。本当にありがとうございます。 ■船岡寮2013ミニミニバザーのお礼  恒例の船岡寮のミニミニバザーを9月8日船岡寮敬老会終了後に開催しました。  今年は通信に掲載したこともあって、多くの商品を提供していただきありがとうございました。この日は利用者さんも買い物を楽しみました。衣類や日用品などの商品をご家族とともに和気あいあいと選んでおられた利用者さん、職員と「似合う!」「そう?」など会話を楽しみながら選んでおられた利用者さん、そして、通信を読まれた方々にも来ていただき、賑やかな雰囲気のなかで行えました。 ご寄付ご寄贈ありがとうございました。  ご協力とともにご来場ありがとうございました。   次の通り、数々のご芳志をいただきました。厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。  (50音順・敬称略) 2013年6月1日〜2013年8月31日 寄付金 60件 3,161,818円 物品寄付・ご奉仕   152件  【寄付金】 あいあい教室保護者会、池田和夫、石津利幸、うさぎや、海老根正子、加藤博史、京都から竹連合会、京都市上京区視覚障害者協会、京都ライトハウス・京視協分会、倉田時子、筝アンサンブルプリマルーチェ、清水國弘、社会保険京都病院、鈴木紘一、竹内花子、田中武、崔春夫、張文玉、辻やよい、堤明子、鳥居寮点字サークル、中谷武司、中橋彌光、松本宏子、山口由美、山下恵利子、弓削眼科診療所、ラクセーヌ商店会、匿名11件  【物品寄付】 秋元満、あすなろ会、新子嘉規、大野(株)、沖永妙子、関西環境サービス(株)、北川吉子、木原清香堂茶舗、京都トヨタ自動車レクサス北大路、(株)公益社、佐々木智栄子、(株)シミズ・ビルライフケア関西、(株)朱常分店代表取締役内田吉治、住岡綾乃、田内節子、高井洋子、田中あつみ、田畑好子、辻やよい、点友会、刀祢春江、花ノ坊町東部町内会、藤井道子、堀尾光子、松崎美恵子、丸清木材(株)、安田亜希子、山本千代野、ワコール労働組合、(株)ワコールホールディングス、和田恭子  【ご奉仕】 青木保、青山弘、安部敬二、天岡宏、生島芙美江、池田孝嘉、伊佐迪子、石川泰史、五十川富士子、磯部治、一谷孝、井上高行、井上千恵子、井上正子、今村久美子、上田澄江、内田務、宇野宏美、オーガスティンジョナサン、大谷八重子、大槻みゆき、大戸明美、大西至、大羽正一、大橋東洋彦、岡村壽子、奥村久子、奥山晴生、小古田初江、梶原清一、加藤紀江、川合正子、川勝周子、河東大樹、カンネベルクエリカ、菊沢喜八郎、北垣せつ子、北川吉子、北村貞人、北村浩尉、北脇圭二、木村芳子、京都市立楽只小学校、京都PANA-ALC、久世敏代、上阪禎子、小松朝子、斉藤かほる、さえずり会、榊美智子、佐久間正雄、櫻田朋子、佐々木陽子、佐渡和代、塩見章子、柴田慶子、白坂澄夫、城野時一、杉浦洋子、杉本倫子、鈴木さほ、住山旦子、高城昌二郎、高田由紀子、橋桂子、田中祥、田辺誠子、谷口敏、谷口虹子、辻謙一、辻美也子、辻井玲子、堤育子、東海和子、鳥飼幸子、永井寿江、中谷武司、中谷泰子、南條康子、西尾紀子、西島きよ子、西松義夫、西村ゆり、野坂邦子、野間赳夫、長谷川勇希、畑勇子、林晃次、馬場康子、樋口庸子、一松睦子、福中正美、藤井綾子、藤野つるみ、藤村由喜子、藤山和子、堀田陽子、ボランティアサークルにじ、前田ふじ子、前中知栄、松本すみ子、三浦豊子、宮永まゆみ、村上直子、目黒正子、本草野政雄、森初子、藪佳子、山下祐嘉里、山田恭子、山本早苗、山本珠子、山本まゆみ、湯浅昭次、横山邦子、吉田義子、吉田善次、朗読グループあいあい、和田三重子、渡部隆三、割鞘美和 京都ライトハウス後援会 <このコーナーは、5万円以上のご寄付、 ご寄贈いただいた方々をご掲載しています> 皆さまからのご厚志はライトハウスの事業運営資金として活用させていただきます。ありがとうございました。 ■ナカノ眼科様  8月28日 多額のご寄付を頂戴しました。 ご寄付ご寄贈ありがとうございます!  次の通り、後援会費と運営資金寄付金を納入いただきました。会員の皆様のお名前を掲げ、厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。    (50音順・敬称略) 愛きもの、青木敦子、秋山順子、アサヒカルピスビバレッジ(株)京都支店、芦田賀寿夫、荒川尚人、庵原清、生島嘉一郎、生島芙美江、石津利幸、石原寛司、五十川静江、磯村春子、一ノ瀬ともえ、伊藤眞一郎、井上清文、井上勢津子、今本史代、上村幸代、植山恵、海老根正子、江守英子、岡田ゆき子、小川美知子、奥西充彦、尾崎公子、小関徹・克美、籠谷信男、梶島スズ子、梶原清一、梶原テル、片岡聡、狩野義子、鎌田啓子、神谷順子、神谷俊昭、川端啓介、川端弥桐、河村つた子、北村裕喜子、楠堂健、久世尚、栗原亨、黒川義直、小阪進一、小槙紀、小森修子、齋藤信雄、酒井久江、酒井富美子、酒元人四、佐々木博康、佐々木陽子、澤義則、産婦人科内科小児科島岡医院、塩見正子、志賀朱美、志垣惠子、柴田久子、下薗栗子、城墻辰夫、杉本敬子、鈴木君江、多田武、多田有輝子、橘洋子、田中嘉代、田中成一、谷口眞理子、田渕茂彦、田渕ふづき、田渕りさ、張文玉、佃静子、常見修平・泰子、常村弘志、栂野たね子、徳田正子、冨田圭子、鳥越吉郎、永井美知子、長柄明美、長尾隆介、中尾肇、中谷保子、中村哲、並河英津子、奈良いずみ、西井千恵子、西田伸、西谷康弘、西村喜美、西村京三、西村さと子、丹羽登茂子、野瀬隆、橋本敏夫、橋本博、畑チエ、初田高明、濱口和子、濱口さとみ、林靖彦、春田満夫、東野真也、平井誠、弘田トモ子、藤田寿大、藤田重昭、藤田真弓、藤田有香、藤田力也、藤原一宏、佛教大学福祉実習課、北條和仁、細川一路、細川果苗、細川海路、細野まり、町田昭、松ア修二、松野洋子、水口幸一、水野歯科医院水野雅則、溝川正、宮崎重道、宮崎政彦、三和道子、茂木幹央、元井シズヱ・哲夫、森利雄、安井隆、安邨洋一、山ア澄子、山下美千代、山田和子、山田久榮、山田亮三、山本文美、弓削経夫、吉田菜穂子、吉武顕、寄下博司、渡邉隆夫、渡辺多鶴子、渡辺裕子、匿名2件  先日、DVDで「はやぶさ」という映画を観ました。任務を終えて帰還した小惑星探査機「はやぶさ」が大気圏に突入する直前に見た(カメラでとらえた)地球の映像に、ああこれが人類の故郷なんだ、と胸が熱くなりました。予測のできない天変地異など辛いことも多い地球での暮らしですが、それならせめて人同士は、青木 陽子氏の仰るように「手を携えて」生きていけないものか。青く美しい惑星は、ただそこに在るということでその答えを示してくれているように思います。 (大槻 明子)