裁判員制度は視覚障害者を排除しないか?− 目で見る資料はどのように配慮されるのか −

はなのぼう 2009年05月20日号
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 5月21日から裁判員制度が始まり、日盲連の全国大会の記念イベントの模擬裁判も、25日(月)の17時から京都ライトハウスで行われます。

 この裁判員制度については、視覚障害者のみなさんの中にも「候補者」に選ばれ、名簿に記載された方もおられるのではないかと思います。名簿に記載されるのは、全国平均でおよそ350人に一人程度と言われています。裁判員候補者名簿は毎年作り替えられ、今回は2009年の5月21日から12月31日まで有効で、実際に裁判に参加するのは、名簿の中の10数人に一人程度のようです。

 「裁判員辞退」については、原則的に辞退はできないとされてはいます。でも、70歳以上、学生・議員・5年以内に裁判員だった人の制限のほか、「一定のやむを得ない理由がある方」は辞退が可能となっており「心身の故障のため裁判員の職務の遂行に著しい故障がある」も入っています。

 つまり、第一の問題は、「視覚障害」を理由として辞退を申し出た場合、辞退が認められてしまう可能性があることです。

 対象となるのは地方裁判所が扱う、殺人、強盗致死傷など重大な刑事事件ですので、一般のマスコミでも、死刑の判断ができるのか、と危惧する意見もあがっています。裁判員には守秘義務があるのに、マスコミの取材を受けてよいとされ、答えてもよい範囲も問題にされています。

 第二には、判断に必要な目で見る情報を的確に与えられるか、が問題として指摘されており、「障害をもつ人の参政権保障連絡会」の質問に対して、「点字化を求められれば点字化を行う。図面・写真などが必要な場合は口頭で説明を行うなど適切な処置をする」という回答はされています。しかし「図面・写真などが裁判の事実認証や立証に必要な事件では、実際に見ることができない人は裁判員をできない場合がある」(同会ホームページより)ともあり、実質的に裁判員から排除される可能性があることも指摘されています。(加藤俊和)

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