指田忠司会長に託されたアジアの視覚障害者ー WBU-APのシンポジウムで日本に期待高まる ー

はなのぼう 2008年11月20日号
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 日本最大の機器展示会として定着してきた「サイトワールド」ですが、今回、11月3日にWBU-APのシンポジウムが同会場で開催されました。まず、WBU(世界盲人連合)会長のマリアン・ダイアモンド氏、WBU-AP(アジア太平洋地域協議会)会長となった指田忠司氏、事務局長のアイバン・ホ・タック・チョイ氏、WBU執行委員のモンタン・ブンタン氏らが、世界における視覚障害者関係の様々な取り組みと障害者権利条約、そしてアジアの状況についての概略の講演の後、会場から様々な質問や意見が活発に出されました。

 その中で浮き彫りになったのは、アジア諸国の中の、いわゆる後進国における障害者の実状でした。日本では、就労、年金、そして一般校での教科書補償などが問題になっていますが、医者にもかかれず、生きていくことすらおびやかされて教育を受けるどころではない国や地域の実態の片鱗を、200人弱の会場にあふれる参加者は生々しく聞くことができました。

 指田氏が今回APの会長に選ばれたことは、日本への期待があります。戦争直後の1948年にヘレン・ケラーを招へいした岩橋武夫に、ヘレンが「私はアフリカとアメリカを担います。あなたはアジアをお願いします。」と言ったという有名な言葉が思い出されます。極貧の中で悲惨な生活をしている視覚障害者に対する二人の固い決意でした。

 アジア太平洋の新たな活動を示した2002年のブラインド・サミットが大阪で開催されたとき、その事務局を担当していた私は、日本がこんなに早くAPの会長を引き受けることはないと思っていました。

 1948年の二人の決意からちょうど60年、でも日本ではこのような活動における財政基盤は未だになく、指田会長の活動費用ですら、これから各方面に粘り強く働きかけていかなければならないのです。

 そのような中で、アジアの先進国となっている日本の果たすべき役割について、あらためて重要な示唆を与えられたシンポジウムでした。(加藤俊和)

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