第15回 パラリンピックのボート競技 舵手つきフォア(混合)の出場を目指す 長岡秀年さん

監督、3人のチームメイトと共にボートに乗って練習中
(監督、3人のチームメイトと共にボートに乗って練習中。中央が長岡さん)

失明を乗り越えて

大工として働いていた。徐々に視力が低下し、いつの時からか現場まで奥さんの送迎に頼らざるを得なくなっていた。それでも何とか続けていた。

京都大学医学部付属病院 眼科で「あと3年で失明する可能性大」と宣告をうけた。ショックだった。浴びるほど酒を飲んで毎日を過ごしていた。そこへ京都府視覚障害者協会の薩摩さんと鈴木さんが訪ねてきてくれた。相談にのってもらい、ライトハウスを紹介してくれ、鳥居寮へ入所した。

その後、京都府立視力障害者福祉センターへ入所。勉強もがんばったが、なにより授業が終わって一杯飲みに行くのが楽しみだった。マッサージの国家試験に合格し、卒業して大阪や京田辺の治療院に就職した。

スポーツの目覚め

2008年、第8回全国障害者スポーツ大会に参加し、砲丸投げで金メダル、ジャベリックスロー(用具を使用し、やり投の規則に準じて飛距離を競う競技)で銅メダルを受賞したことがうれしかった。

もっと鍛えて頑張ろうと思い、通っていた山科区のフィットネスクラブで、ボートの監督となる大沼茂彬さんに誘われた。

最初はボートに乗らず、監督の家でマシーンを使って特訓をした。2018年3月、琵琶湖で初めてボートに乗った。なかなか漕げない。4人で一つのボートを漕ぐため、呼吸を合わせることが難しい。

以来、週に2日はマシーンで、土日は実際にボートに乗る練習を続けた。

成果が出始めた。5月長野「第41回信毎諏訪湖レガッタ パラローイングナックルフォア1000メートル」優勝。8月岐阜の健常者向けの大会「第6回かわべ清流レガッタ 壮年男子の部」6位。10月滋賀「かいつぶりレガッタ パラローイングの部」優勝。

今では仕事と共に私の生きがいとなっている。琵琶湖では一般の方と共に競漕を楽しんでいる。この前もオリンピック経験者と一緒に練習することができた。

「あと3年で失明する」と言われショックで落ち込んだが、逆に「あと3年の内にがんばる」と思えた。

鳥居寮は、スポーツの面白さや生きる自信をくれた。

京都府立視力障害者福祉センターで、仕事に就けた。

ボートに出会い、尊敬する仲間が出来た。

京大病院眼科の先生にとても感謝している。

来年の東京パラリンピックへの出場に向けて、今年もがんばるぞ!

長岡秀年プロフィール

笑顔の長岡さん
(笑顔の長岡さん)

1957年 熊本県天草市で生まれる

1973年 16歳で大工の丁稚奉公として京都に来る

2004年 網膜色素変性症の診断を受ける

2007年 鳥居寮へ入所

2008年 京都府立視力障害者福祉センター入所

第8回全国障害者スポーツ大会

砲丸投げ金メダル・ジャベリックスロー銅メダル受賞

2011年 マッサージの国家試験に合格

治療院に就職

2017年 ボートの訓練を始める

2018年 第41回信毎諏訪湖レガッタ

パラローイングナックルフォア1000メートル」優勝

2018年 琵琶湖かいつぶりレガッタ パラローイングの部」優勝

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