「点字選挙公報」地方選挙にも拡がる

はなのぼう 2007年3月号
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もうすぐ統一地方選挙が始まります。「統一」の名称は、戦後新しい憲法の下で昭和22年に一斉に選挙が行われたからです。任期満了以内に議会の解散や任期途中の辞任などがなければ、4年ごとに選挙が行われるので今年はちょうど60年を経た選挙の年になっています。

選挙には墨字の選挙公報はあるのに視覚障害者用としてはなく、参議院の比例区では抜粋として点字雑誌の別冊の形式で点字印刷物が作られていました。各地の自治体選挙でも同様の形式で作成されているところが少なからずあります。そこで、まずは国政選挙については全訳でと日盲社協の点字出版部会などの努力によって、墨字の選挙公報と同じ内容のものが点字できちんと作られ始めたのは3年前の参議院選からです。

今年7月の参議院では一本化され、全訳版が全国で利用される画期的な選挙を迎えることになります。その中で京都府及び京都市では、全区域で選挙公報の全訳版の「選挙のお知らせ」が作成されることになりました。

実は、選挙公報の点字版の製作は大変なのです。数日という短期間に原稿編集・入力・立ち会い校正・製版・印刷・製本・発送のすべてを終えなければならないからです。選挙公示期間は近年どんどん短縮されてしまい、最も短い地方選挙では1週間しかありません。

これほどの短期間で一定量の点字製作から発送までの作業をこなすには、点字出版施設が協力して対応していますが、もっと多くの自治体が取り組むようになれば限界に達してくることでしょう。これまでの選挙の「改革」で何度か選挙期間が短くなったときに「選挙広報の点訳を困難にし選挙の権利が奪われる」ことについての視覚障害者の声がなぜ出なかったのか、私は今も不思議に思っています。

なお「声の選挙公報」も検討が始まっています。すべての音訳、候補者による音源作成、コンピューターの音声利用など検討が始まったばかりですが、テープの短期間大量複製の課題も含めて、問題は山積しています。

ともあれ視覚障害者に対して選挙公報が点字や音声できちんと補償されていくことは、基本的な人権にもつながる重要な要件の一つといえるのではないでしょうか。

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