本を選ぶ

「らっきょう」。身近にあるポピュラーな食べ物なのに、一度も口にしたことがありません。食わず嫌いというのではなく、いろいろな食事の場面でそばにあっても、ついぞ箸を伸ばすことなく今日まできただけです。きけば栄養豊富とのこと。食の幅を拡げるためにもこれからは意識して口にしたいものです。

食の幅もそうですが、そもそも人の知識や経験など本人が思うほど広くも深くも豊かでもありません。人生の様々な場面で得た知識や経験が積み重なって人の見識はつくられますが、一度も知る機会がなかったことや興味関心を持たなかったことなど山ほどあり、ものの見方や考え方は誰であろうと偏ります。

図書館の仕事の一つに選書があります。「他人に変わって他人が読みたい本を選ぶ」という、何とも不遜な、本来できるはずのない仕事です。どの図書館も選書基準を設けるなど不偏性に努めていますが、人が選ぶものに偏りが出ないことなど、あり得ないと捉えるのが自然です。

情報ステーションにおいても、点訳音訳に着手する図書は、話題性や社会的注目度などに留意しつつ、幅広いジャンルから多くの人に利用され長期にわたり資料的価値が見込める図書を、さまざまなデータをもとに選書委員会で審議し、決めています。
とはいえ、偏りがないと言い切ることはできません。
我々の見識など所詮浅はかであることを自覚し、謙虚な姿勢で選書に臨む。偏るという宿命に向き合っていくには、これを徹底するしかありません。
ご理解のほど、お願いいたします。

(五十嵐 幸夫)

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